【U-18W杯】大船渡・佐々木、侍の守護神に浮上 初対外試合で9回に登板無失点「やるしかない」

侍ジャパンU-18合宿に参加している大船渡・佐々木朗希【写真:Getty Images】
侍ジャパンU-18合宿に参加している大船渡・佐々木朗希【写真:Getty Images】

1か月ぶりの実戦登板で最速153キロ、1イニングを無安打1四球無失点

 30日から韓国・機張(きじゃん)で行われる「第29回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」に参加する高校日本代表は24日、都内のグラウンドで駒大を相手に初の対外試合をダブルヘッダーで行い、1勝1敗だった。第1試合は5-0で勝利し、第2試合は3-4で敗れた。注目の163キロ右腕、大船渡・佐々木朗希投手(3年)は第1試合の9回に登板し、最速153キロをマークして1回を無安打1奪三振1四球で無失点投球。本番でも抑えを務める可能性が出てきた。

 5点リードの9回、佐々木がしっかり試合を締めくくった。先頭打者をフォークで三振に仕留めると、次打者をスライダーで遊飛に。続く打者に四球を与えたが、最後の打者をスライダーで遊ゴロに打ち取った。15球を投げて無安打無失点リリーフ。最速は、バックネット裏のプロ野球スカウトのスピードガンで153キロを計測した。

「点数をつけるなら60点くらい。無失点はよかったですが、四球があったので。リリーフは慣れない部分があるので楽ではないです。少し大変でした」

 7月24日の第101回全国高校野球選手権大会・岩手大会準決勝(対一関工)以来、ちょうど1か月ぶりの実戦マウンド。佐々木は2度ブルペンに入って準備を整えた。抑えでの登板は中学時代以来。「前の投手に何かあったらすぐにいかないといけないし、試合の流れを自分でつくれない。そこが難しいですね」と3年ぶりの救援登板を振り返った。

 現時点ではワールドカップの起用法は決まっていない。永田監督は「(大会前に)もう1試合あるので、それを見て決めたい」と明言を避けた。ただ、この日のクローザーでの登板は前日23日に永田監督が佐々木本人に伝えていた。本番を見越してのテスト登板だった可能性が高い。確かに、160キロ超の速球だけではなく、スライダー、フォークと、空振りを取れる球を複数持つだけに、守護神としてはこれ以上ない存在だ。

「リリーフは少し不安もありますが、ここまできたらやるしかない」と佐々木。悲願の世界一へ、覚悟はできているようだ。

(片倉尚文 / Naofumi Katakura)

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