11年目でプロ初完封のロッテ西野、なぜ先発転向? 吉井コーチが語る適性とは

2016年には増井を先発転向させた経験を持つ吉井コーチ「何試合か投げれば大丈夫だろう」

 この日の試合後、吉井コーチは「彼は球種が多いですから。リリーフをやってても、ハマるところがなかった。思い切って監督に言ったら、やってみようと」と語り、1つのポイントを明かした。「いい変化球を持っているんですけど、短いイニングでだと使えないんですよ。今日も投げていたカーブとか」。

 カーブ、フォーク、スライダーなどを操る西野。だが、1イニング、10球から20球程度しか投げないリリーフだと、その変化球を活かしきれていなかった。そこで、2013年、そして2017年に経験しており、球種の多さで投球の幅を出せる先発への配置転換を思いついたという。

 わずか1か月ほどの調整期間での配置転換。突然の転換にも「過去にやっていた投手なので、何試合か投げれば大丈夫だろう」と吉井コーチは思っていた。そして、「増井で1回やっているのでいけるだろうとも思っていました」とも。日本ハムで日本一になった2016年。ルーキーイヤーで先発を経験していた増井浩俊(現オリックス)をシーズン中に先発に配置転換。8試合の先発で6勝をマークした。その時の経験も頭にはあった。

 西野は今季4度目の先発で初完投初完封勝利。通算では231試合目の登板だったが、先発としては31試合目の先発だった。ここまで先発で4試合に投げて、最も多くても3点しか失っていない。西野勇士。シーズン終盤戦、そしてCSと、ロッテの鍵を握る投手になるかもしれない。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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