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【U-18W杯】チーム牽引した1番打者・森敬斗 塁上で韓国選手らと交わした友好の握手

韓国・機張(きじゃん)で開催されていた「第29回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」が終わり、悲願の世界一を目指した侍ジャパンだったが、5位で大会を終えた。思い返せば、開催国が韓国だったため、渡韓前は日韓情勢の悪化から、選手の身を心配する声も上がっていたが、大きな混乱もなく大会は無事終了した。選手たちも大会前は不安だったが、現地では友好の和が広がった。それを象徴するシーンが6日の韓国戦の初回、1番・森敬斗内野手のプレーに表れていた。

ベース上で韓国の二塁手キム・ジチャンと固く握手を交わす侍ジャパンU-18代表・森敬斗【写真:荒川祐史】
ベース上で韓国の二塁手キム・ジチャンと固く握手を交わす侍ジャパンU-18代表・森敬斗【写真:荒川祐史】

宮城は死球を当てて帽子をとって謝罪すると韓国選手がそれに応えたシーンも話題に

 韓国・機張(きじゃん)で開催されていた「第29回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」が終わり、悲願の世界一を目指した侍ジャパンだったが、5位で大会を終えた。思い返せば、開催国が韓国だったため、渡韓前は日韓情勢の悪化から、選手の身を心配する声も上がっていたが、大きな混乱もなく大会は無事終了した。選手たちも大会前は不安だったが、現地では友好の和が広がった。それを象徴するシーンが6日の韓国戦の初回、1番・森敬斗内野手のプレーに表れていた。

「今回の大会の経験を糧に」―侍ジャパンU-18代表、5位で終えたW杯で手にしたもの(侍ジャパン応援特設サイトへ)

 ほんの一瞬の出来事だったが、忘れてはいけない瞬間だった。それは二塁ベース上で起きた。1回表。日本のリードオフマン・森がパナマ戦、アメリカ戦から続く8打席連続出塁となる左前安打を放った。2番・武岡龍世内野手の送りバントで森は二塁に進んだ。

 すると、森はベース上で、韓国の二塁手、キム・ジチャンが近づいてきたところにスッと手を差し出した。そして、固く握手を交わした。両手でガッチリと。まるで以前から知り合いかのように。

「自分から握手をしました。これから戦う相手に対して、『よろしく』というような挨拶の意味を込めてです。そういうことを心掛けようと思ってやりました」

 森は韓国戦に限らず、他のチームの試合でも、面識のない相手選手と固く握手を交わしていた。ただ、特に韓国に対しては思いは強かったという。

「特に意識はしました。韓国とは今、両国間の情勢が悪いと言われていますが、野球やスポ―ツをやる上では関係ないことなんだ、ということを示したかったんです」

 森が差し出した手は、友好の懸け橋となった。

 また同じ韓国戦では、死球を与えた宮城大弥投手が韓国代表のリー・ジュヒョン内野手に謝ると、それにヘルメットを取って応える姿が話題を呼んだ。WBSCの公式ツイッターが「RESPECT」と両者を称え、その動画は世界に発信された。

 出場したチームは全員、同じホテルに宿泊していた。ホテル内でも交流は多く、日本の選手は韓国チームと談笑していた。日本高野連の竹中事務局長はその姿を見て、「試合だけれど、国際親善の意味合いも強い。試合になればぶつかり合うけど野球を愛する同世代の集まりですから、友好の和を広げたり、ここで得た経験をチームに持って帰って伝えてほしいし、自分の経験に生かしてほしいです」と野球を通じて大切なことを持ち帰ってもらうことを願った。

 世界一を目指すために、選手たちはこの約2週間、厳しい戦いを強いられてきた。悔し涙を流す選手もたくさんいた。監督、コーチからの怒号も響いた。頂点はまたしてもつかめなかった。だが、勝負より大切なものを学び、なかなか経験のできないことを感じ取った13日間でもあった。高校最後に貴重な経験を力にし、この後の野球人生に生かしていってもらいたい。野球やスポーツに、政治も情勢も関係はない。森をはじめ、それを選手たちが示してくれた。

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