【ロッテ売り子名鑑】売り子歴24年を誇る幕張のレジェンド・近藤さん「自分の可能性に挑戦してみたい」

売り子24年目のレジェンド・近藤晃弘さん【写真:編集部】
売り子24年目のレジェンド・近藤晃弘さん【写真:編集部】

ソフトドリンクとホットドッグを担当、デビュー戦は「銚子商業VS拓大紅陵」

 ロッテは今季も、ZOZOマリンスタジアムでの主催ゲームを対象に大好評企画「売り子ペナントレース」を開催。現在は、厳選メンバー5人が、ハイレベルな決勝ラウンドで白熱したを繰り広げている。

 昨年はドリンクメニュー(ソフトドリンクも含む)の立ち売り販売をする売り子経験5年以内のメンバーが参加対象となったが、2年目の今年はハンデをつける形で売り子経験年数に関わらず参加が可能となった。勤続年数に応じて、日々の売上げ杯数にボーナスを加算。1年目は1日の売上杯数の150%、2年目は140%、3年目は130%、4年目は120%で、5年目以上はボーナスなしとなり、ソフトドリンク・日本酒の売上げは勤続年数に関わらず200%に設定された。

 さらに、月ごとの売上杯数1位の売り子が、9月からの決勝ラウンドに進出する新方式を採用。昨年の88名から一気に110名までアップした参加者の中から、各月の頂点に立った精鋭5人が9月1日から新たな戦いに臨んでいる。「Full-Count」では決勝ラウンドに進出した5人に直撃インタビューし、売り子という仕事に対する思いや情熱を語ってもらった。

 第4回は5月チャンピオンの、近藤晃弘さん(コカ・コーラ)だ。

 ZOZOマリンを訪れるロッテファンなら誰もが知る存在、それが近藤さんだ。ソフトドリンクとホットドッグの売り子を始めて、今年で24年目。誰よりもマリーンズを知り、マリーンズを愛する人物でもある。

 デビュー戦は高校野球だった。1995年夏の千葉県大会決勝。高校卒業後に就職した会社では、新入社員が高校野球の売り子の手伝いをすることが恒例で、近藤さんも借り出されたことがきっかけだった。その年のセンバツで準優勝した銚子商業と拓大紅陵という好カード。炎天下での熱戦でドリンクは飛ぶように売れ、初日から200杯以上を売り上げた。「ここまで売れると思っていなかったんですよ、いきなり(笑)」。人見知りだった近藤さんの心の中に、接客の面白さが刻みこまれた。

 1995年。ロッテを率いたのは、ボビー・バレンタイン監督だった。第1次バレンタイン政権で、中心選手は初芝清、小宮山悟、伊良部秀輝。この年にデビューしたルーキーは、サブローと“ジョニー”こと黒木知宏だ。売り子の魅力に惹かれると同時に、野球の魅力にも取り憑かれた24年。ソフトドリンクとホットドッグを入れた飯台を担ぎ、スタンドを縦横無尽に歩き回りながら、いい時も悪い時もマリーンズのすべてを見守ってきた。

 思い出深いのは、第2次バレンタイン政権で日本一に輝いた2005年シーズンの盛り上がりだ。大好きな選手は、この時に正捕手でもあった里崎智也。「野球の実力はもちろんですが、里崎さんの人間性ですね。説明するのは難しいんですが、簡単に言うと、やっぱりいい人。会うと『近藤さん、お疲れ様です』と声を掛けてくださって。覚えていてくださるのが、うれしいです」と話すと、照れくさそうに笑った。

後輩にも必ず伝える売り子の心得「怪我をしない、させない」

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