米名物実況が語る大谷、数々の記録達成に重なる天才の姿 「若き日のトラウトを…」

「ビッグフライ、オオタニサーン!」の名台詞でお馴染みのビクター・ロハス氏【写真:盆子原浩二】
「ビッグフライ、オオタニサーン!」の名台詞でお馴染みのビクター・ロハス氏【写真:盆子原浩二】

来シーズンは二刀流で復活する可能性「10勝、20本なんて彼にとっては簡単だと思う」

――2018、19年とメジャー2シーズンの大谷をどのように見ていますか?

「彼を見た最初の日から言っているけど、とてもエキサイティングなプレーヤーだよ! 投打どちらも出来るのはとても魅力的だしね。オールスター明けから今まで、トミージョン手術のリハビリによる疲れがたまっていたのかもしれない。そのせいで少し成績を落としていたのかもしれないけど、試合に出ることとリハビリを行うこと、同時にやるのはとても大変なことだ。それでも毎日疲れを見せず、休みたいとも言わずに試合に出る準備をきっちりしていた姿は、プライドに満ちていた。来年は健康で1年過ごせるといいね」

――メジャーデビューから通算40本ホームランを打ちましたが、印象に残っているホームランはありますか?

「去年のヤンキース戦のホームランは興奮したね! そうそう、セベリーノから打ったやつだ。アレが一番だ。あとは…どれにしようかな…そうだ、今年だったと思うんだけど、内角低めをバックスクリーンに豪快に運んだ一発だね。あのコースは、左打者なら右方向に引っ張るのが普通だけど、彼はセンター方向に打ち込んだ。彼がいかにえげつないバッターかを示した一撃だったね」

――アストロズのジャスティン・バーランダーとは名勝負を昨年から演じてきた。大谷は自身25歳の誕生日の日にバーステーアーチを放つなど、日本でも注目を集めた。

「彼は殿堂入りするピッチャーだからね。試合後、『奴はなかなかいいバッターだ』と言っていた。これが野球の美学だと思うよ。今日世界の頂点にいても、明日は一番下にいるかもしれない。その逆もあり得る。バーランダーのような男でも、打ち込まれる日だってあるしね。大谷と対戦した日は彼にとってまさにそんな日だった。彼が色々なピッチャーと対戦するのを見ていると、本当に面白いよ」

――大谷に来年期待することは?

「とにかく健康に過ごすこと。それだけだね。去年のように、週に1回投げて4日打席に立つだろうから、20~25回は先発してほしい。10勝、20本なんて彼にとっては簡単だと思う。彼が万全の状態なら、いつの日かノーヒットノーランを成し遂げると思うよ。アレだけのものを持っていて、彼がそれをできないはずがない。実際今年、彼はサイクルヒットを成し遂げたしね。大谷を見ていると、若き日のマイク・トラウトが様々な素晴らしい記録を残していく過程を見守っていた頃のような高揚感を覚えるよ。だから、とにかく彼の健康を祈る」

――ロハスさんの「ビッグフライ、オオタニサーン!!!」という掛け声は彼を元気付けると思います。

「彼が打ったら全力で言うさ(笑) あれ、今実際に言うのかい? ビッグフライ、オオタニサーン! こんな感じかな?(笑)」

(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)

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