清宮幸太郎に栗山監督が求めるもの「いい選手は自分のやり方を見つけられる」

日本ハム・清宮幸太郎【写真:石川加奈子】
日本ハム・清宮幸太郎【写真:石川加奈子】

「こういう時はこういう風にすると自分の形をつくっていくことも必要」

 日本ハムの清宮幸太郎内野手が先週末のソフトバンク3連戦で2本の適時打を放った。得点圏打率は昨季の.172を超える.219。シーズン打率の.200を上回り、好機で期待に応える場面が少しずつ増えている。

 15日の試合では同点で迎えた8回1死満塁で打席に立った。セットアッパーの甲斐野にカウント0-2と簡単に追い込まれた後、しぶとく一、二塁間を破る勝ち越しの2点適時打を放ち、勝負強さを見せた。この日の試合後、栗山英樹監督は「たまには打たないとね」と素っ気ない一言で済ませたが、翌16日の試合前に語った話が印象的だった。

「打率は今から3割を打ちなさいと言うことはないけれど、ああいうみんなが打ってほしいところで打たないと。それが大切なことだと思うんだよね」

 今季10試合で4番を任せた栗山英樹監督が将来の主砲に求めているものは、好機での自分の打撃の形をつかむことだという。

「自分が打ちたい、打ちたいとなり過ぎた時に、自分がどういう風な動きをするのか。相手がどういう風に投げてくるのか。そういうことを経験しながら自分のやり方というのを覚えて、こういう時はこういう風にすると自分の形をつくっていくことも必要。いい選手は見つけられるんだよ、自分のやり方を。それをこっちは待っている。それは人に教えられてつくられるものでは、あんまりない。考え方は教えられるけど、自分でつくるものなので。人から教わってやりすぎると自分の形が変わってしまったりもする」

 指揮官が清宮を使い続ける思いの一端が見えた気がする。右手有鈎骨骨折を乗り越えて5月末に昇格した清宮は1軍での経験を重ね、ここまで74試合、225打数45安30打点7本塁打、打率.200。クライマックスシリーズ進出へのわずかな望みを懸けて戦う残り8試合でどこまで成長できるのか、楽しみに見守りたい。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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