背番号「9」の助言、元ロッテ岡田が得た“準備”の大切さ 「ずっと自分の心に残っている」

引退会見では福浦から花束を受け取り涙「我慢をしていたのですが…」

 結局、14年は前年と比べ100打席ほど出番は減ったが代走からの出場などで110試合に出場する機会を得た。翌15年も112試合。16年には121試合に出場しレギュラーの座を奪い返してみせた。そして18年9月。惜しまれながらユニホームを脱いだ。悔いなきプロ野球人生だった。

 ZOZOマリンスタジアムで行われた岡田の引退会見。取材に駆け付けた大勢のマスコミの後ろに福浦の姿があった。会見を終えると花束を持って姿を現した。「お疲れさん」。労いの言葉をかけ肩をポンと叩くと会見中は感情を出すのを我慢していた岡田の目から涙からポトリポトリとこぼれた。

「福浦さんからお花をいただけるなんて思っていなかった。最高に嬉しいです。我慢をしていたのですが泣いてしまいました」。そう言うと岡田はまた涙した。

 岡田が所属している栃木ゴールデンブレーブスは今年、東地区後期で優勝。地区チャンピオンシップにも勝ち9月22日からルートインBCリーグチャンピオンシップに臨む。コーチの立場で岡田が今、選手に伝えているのは準備の大切さだ。

「例え出番がなくてもやるべきことはしっかりやっとけよと。コーチの立場で若い選手に教えています。福浦さんに言われてからずっと自分の心に残っていることですから。全力で準備をして備える。いつ出番が来てもいいように。出番が来た時にベストを尽くせるようにです」

 指導者の道を歩み出した岡田のイキイキとした表情が印象的だ。残念ながら大先輩の引退試合はチャンピオンシップと日程が被っているため観戦をすることはできない。ただ今、大先輩への恩返しは教えてもらったことを若い選手たちへと伝え続けることだと考えている。日本球界の未来のために、これからの選手たちに準備の大切さを伝え続けていく。

(マリーンズ球団広報 梶原紀章)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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