大船渡・佐々木がプロでの目標明言 「163キロ超え」&「投手の全タイトル獲得」

会見に臨んだ大船渡・佐々木朗希【写真:篠崎有理枝】
会見に臨んだ大船渡・佐々木朗希【写真:篠崎有理枝】

プロ野球最速は日本ハム時代の大谷が3年前に計測した165キロ

 今秋ドラフト1位候補の最速163キロ右腕、大船渡・佐々木朗希投手が2日、岩手・大船渡市内で進路表明の記者会見を行った。日本のプロ野球12球団OKの姿勢を表明した右腕は「もっといい真っすぐを投げて(163キロを)超えたい。タイトルを全て取れる投手になりたい」とプロでの目標を口にした。

 10月17日のドラフト会議で最注目の怪物右腕がついにプロ志望を表明した。「強く思い始めたのは(高校)1年生の冬から。12球団どこでも頑張りたいと思います」と、NPB全球団OKを明言。メジャーについては「今は考えられない。まずは日本で頑張りたい」と話した。

 その存在が全国に知れ渡ったのは4月のU-18高校日本代表合宿だった。紅白戦で驚愕の163キロをマーク。2012年に花巻東・大谷翔平投手(現エンゼルス)がマークした160キロを上回り、高校生として最速を記録した。

 「ピッチングだったり、フィールディングだったり、野球におけるすべてのプレーを高めて、これから次のステージに行きたいと思いました」。向上心の塊のような右腕がプロの世界で見据えるのは「163キロ超え」と「投手の全タイトル獲得」だ。

 「163キロは佐々木投手にとってどういう数字か?」と問われると、こう答えた。「これから次のステージで野球をやるうえで、超えていきたいと思っている数字。超えていけるように頑張りたい」と明言。さらに「真っ直ぐは一番自信のあるボールなので、もっといい真っ直ぐを投げたいと思います」と力を込めた。

 プロ野球で最速は、エンゼルスの大谷翔平投手が日本ハム在籍時の2016年10月16日にソフトバンクとのクライマックスシリーズで投じた165キロ。17歳にして日本歴代2位の163キロを計測した佐々木には大谷超えの期待がかかる。

 さらに「プロの投手としてここまで到達したいというイメージはあるか」との質問に「プロに入ったらタイトルがあると思いますが、それをすべて取れるようなピッチャーになりたいと思います」と明かした。先発投手なら最多勝利、防御率、最高勝率、奪三振の4つのタイトルが対象になる。これらを全て獲得するという目標を早くも定めている。

 2011年の東日本大震災で被災し、岩手・陸前高田市から大船渡市に移住。地元で力をつけてきた右腕がいよいよプロの世界に挑む。「震災の時にたくさんの方々に支援していただいたので、その恩返しをできたらと思っている。これからも地元の期待にこたえられるように、精いっぱいプレーしたいと思っています」と改めて決意を示した。

 既に日本ハムが1位指名を公表する中、17日のドラフト会議では果たして何球団が指名し、どの球団が交渉権を得るか。佐々木はその時を静かに待つ。

(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)

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