前田健太、3戦連続零封 ド軍敗戦も満塁で完璧火消し「抑えることしか考えてない」

2番手で登板したドジャース・前田健太【写真:Getty Images】
2番手で登板したドジャース・前田健太【写真:Getty Images】

チームは敗れるも3試合連続無失点、2勝2敗のタイで第5戦へ

■ナショナルズ 6-1 ドジャース(地区シリーズ・日本時間8日・ワシントン)

 ドジャースの前田健太投手が7日(日本時間8日)、地区シリーズ第4戦のナショナルズ戦で3回2死満塁の大ピンチで2番手として登板。「抑えることしか考えてない」と無失点で切り抜ける好救援を見せた。続く4回も無失点に抑えて1回1/3を1安打無失点2奪三振と好投。ポストシーズン(PS)に入ってから3試合連続無失点とした。ドジャースは前田の後に投げた救援陣が打ち込まれて1-6で敗れ、2勝2敗のタイとされたものの、日本人右腕は今年もPSに存在感を見せている。

 3回、先発左腕ヒルが1死満塁のピンチでレンドンに犠飛を許し、続くソトには四球を与えて再び2死満塁の大ピンチに。デーブ・ロバーツ監督はここで早くも前田を投入。だが、準備はできていた。

「リッチ(ヒル)が長いイニングを投げられないというのは分かっていたので。怪我明けで長いイニングは投げてないですし、投げても3、4回くらいと分かっていたことなので、そういう意味で慌ただしさはないですね。リッチの後は僕が確率高いかなとは思ってましたし。左(腕)が先発で(相手打線は)右が並んでいるので、今日は複数回投げる可能性があるとは分かっていた。自分が行く確率が高いかなと思って準備してました」

 ケンドリックに対して3球連続でスライダーを投じ、最後は三ゴロ。アウトになった瞬間にガッツポーズを繰り出し、雄叫びを上げた。

「結果的には負けてしまいましたけど、あの場面で僕が打たれたら一気に試合が決まる状況だったので、なんとか抑えないといけないという状況でマウンドに上がって、なんとか抑えることができたので、よかったとは思います」

 続投した4回はジマーマン、スズキを連続空振り三振に仕留め、続くテイラーには三塁内野安打を浴びて地区シリーズ第1戦からの連続凡退は10人で止まったものの、最後はシャーザーを中直。役割を果たし、5回に代打を送られて降板した。ポストシーズンに入ってから3試合連続無失点と好投が続く。

 2死満塁からの登板。先発が本職の前田にとっては、決して簡単な場面ではない。ただ、「抑えることしか考えてないですね。あそこで僕が1本打たれれば、ほぼゲームは決まってしまうような状況だったので、とにかく1-1の場面だったので抑えるということだけを考えて投げました」とサラリ。これまでの経験が生きているかとの質問にも「結局一緒ですかね。今日だって負けていい試合ではないので、負けられないというか、勝つために準備するし、勝つために投げているので特にやることは変わらないというか。メンタル面でも変わらないですね」と言う。ドジャースベンチとしては、こんなに頼りになる投手はいないだろう。

 リーグ優勝決定シリーズ進出をかけて、9日(同10日)にはドジャースタジアムに戻って第5戦が行われる。中1日で再び前田がマウンドに上がる場面はやってきそうだ。

(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY