今季の沢村賞を占う…本命はセ投手3冠の巨人山口、対抗はパ最多勝のハム有原
山口と有原は、今季の投手で最多の選考基準4項目をクリアしている
沢村栄治賞(通称沢村賞)は、プロ野球草創期の大投手沢村栄治にちなんで、その年の最も優秀な先発投手に授与される栄誉ある特別賞だ。1947年に始まり、当初はセ・リーグの投手のみが対象だったが、1989年からは両リーグの投手が対象となる。
選考委員によって選出されるが、選考基準として25登板以上、10完投以上、15勝以上、勝率6割以上、200投球回以上、150奪三振以上、防御率2.50以下の7項目が設けられている。2018年からは7回以上投げて自責点3以下だった試合をQS(MLBの基準とは異なる)として、先発登板数に占めるQS率も参考にしている。
両リーグの規定投球回数以上の15投手について、選考基準をクリアした数とQS%を出してみる。
【セ・リーグ】
大野雄大(中)2
(◯25登●2完●9勝●勝率.529●177.2回◯156三 ●防率2.58)QS 64.0%
ジョンソン(広)1
(◯27登●1完●11勝●勝率.579●156.2回●132三 ●防率2.59)QS 22.2%
山口俊(巨)4
(◯26登●0完◯15勝◯勝率.789●170回◯188三 ●防率2.91)QS 46.2%
今永昇太(デ)3
(◯25登●3完●13勝◯勝率.650●170回◯186三 ●防率2.91)QS 56.0%
西勇輝(神)1
(◯26登●1完●10勝●勝率.556●172.1回●112三 ●防率2.92)QS 50.0%
青柳晃洋(神)1
(◯25登●1完●9勝●勝率.500●143.1回●100三 ●防率3.14)QS 24.0%
大瀬良大地(広)1
(◯26登●6完●11勝●勝率.550●173.1回●136三 ●防率3.53)QS 48.0%
柳裕也(中)2
(◯26登●1完●11勝◯勝率.611●170.2回●146三 ●防率3.53)QS 50.0%
小川泰弘(ヤ)1
(◯26登●2完●5勝●勝率.294●159.2回●132三 ●防率4.57)QS 34.6%
セの防御率1位は大野の2.58、完投数は大瀬良の6が最多、投球回数は中日の大野の177.2回なので、この3項目をクリアする投手はいない。山口は残る4項目をすべてクリアしており、QS率は低いが有力候補といえよう。対抗するのは大野、今永か。