田中将大、6回零封の完璧投球でヤ軍先勝「自分の意図を持って投げられた」

敵地でのリーグ優勝決定シリーズ初戦に先発登板したヤンキース・田中将大【写真:Getty Images】
敵地でのリーグ優勝決定シリーズ初戦に先発登板したヤンキース・田中将大【写真:Getty Images】

PS通算防御率1.32は史上3位に、通算5勝目で自身が持つ日本人最多記録を更に更新

■ヤンキース 7-0 アストロズ(優勝決定シリーズ・日本時間13日・ヒューストン)

 ヤンキースの田中将大投手は12日(日本時間13日)、敵地で行われているアストロズとのア・リーグ優勝決定シリーズ第1戦に先発。6回1安打無失点4奪三振1四球と快投し、ポストシーズン(PS)通算5勝目(2敗)を挙げた。ヤンキースはトーレスが4打点を記録するなど打線も得点を重ね、7-0で快勝。ワールドシリーズ進出へ、大事な初戦を取り、田中は試合後に「守備のいいプレーに助けられた」と振り返った。

 今季、レギュラーシーズンでメジャー最高の107勝を挙げ、メジャー屈指の打線を誇るアストロズを田中が制圧した。初回はわずか10球で3者凡退に仕留める好スタート。2回も9球で3者凡退に抑えた。3回は1死からタッカーに右前打を許し、これが初ヒットとなったが、続くチリノスはスライダーを打たせて三ゴロ併殺打。ここも無失点に抑え、田中は早くも雄叫びを上げた。

 ヤンキース打線は4回、アストロズの“先発3本柱”の一人、グリンキーからトーレスが左中間を破る適時二塁打。先制に成功した。田中はその裏もスプリンガーとアルトゥーベを三振に斬るなど3者凡退。5回は先頭ブレグマンにこの試合初めての四球を与えるも、アルバレスの痛烈なライナーを右翼ジャッジが好捕。すぐさま一塁に返球し、強肩で飛び出したブレグマンを刺した。ダブルプレーに仕留め、結果的に3人で攻撃を終わらせると、6回にはトーレスが左翼へソロ弾。さらにスタントンにもソロが飛び出し、貴重な2点を加えて3-0とリードを広げた。

 6回は先頭コレアを投ゴロ、タッカーを三飛、チリノスはスライダーで空振り三振とまたも3者凡退。アストロズ打線を田中にほぼ完璧に抑え込まれ、敵地は沈黙に包まれる。ヤンキースは直後の7回にトーレスのこの試合4打点目となる2点打が飛び出し、リードを5点に広げた。

 田中はまだ68球(ストライク45球)だったが、ここで降板。強力ブルペン陣に託した。オッタビーノが7回、ブリットンが8回、ロアイシガが9回を抑え、ヤンキースが快勝。第1戦で貴重な白星を掴んだ。

 10月に絶大な強さを誇る田中は、これでポストシーズン通算5勝目。自身が持つ日本人最多記録を更に塗り替え、防御率は1.32とした。「MLBスタッツ」によると、ポストシーズン7試合以上に登板した投手では、サンディ・コーファックス(0.95)、クリスティー・マシューソン(1.06)に続く史上3位となった。今年も5日(同6日)に行われたツインズとの地区シリーズ第2戦に続く勝利で2戦2勝に。2009年以来の世界一へ、ヤンキースを力強く牽引している。

 田中は試合後、テレビインタビューで「結果ほど良くはなかったというのは自分の気持ちとしはあります。けっこう強い当たりも打たれたりとかしたんですけど、守備のいいプレーに助けられて、何とか乗り切ることができました」と振り返り、「冷静に1球1球、しっかりと自分の意図を持って投げていくという部分はしっかりとできたと思います」とうなずいた。

(Full-Count編集部)

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