急逝スカッグス投手に医療用麻薬を提供と証言のエ軍職員 捜査協力は「正しいこと」

7月に急逝したエンゼルスのタイラー・スカッグス投手【写真:Getty Images】
7月に急逝したエンゼルスのタイラー・スカッグス投手【写真:Getty Images】

弁護士を通じてコメントを発表「自身の役割について責任をとる時」

 7月1日(日本時間2日)にエンゼルスのタイラー・スカッグス投手が遠征先のテキサス州ダラスのホテルで急逝した出来事について、球団広報部に所属するエリック・ケイ氏が同投手に医療用麻薬オピオイド系の鎮痛剤オキシコドンを提供し、長期間に渡って一緒に乱用していたという衝撃的なニュースが米国を駆け巡った。同投手は、オピオイド系薬物やアルコールなどの摂取後に嘔吐物で窒息死したことが判明しているが、ケイ氏本人が薬物提供と乱用について米麻薬取締局に証言。この事実を12日(同13日)に米スポーツ局「ESPN」が伝えていた。ケイ氏は13日(同14日)に弁護士を通じてコメントを発表し、捜査への協力は「正しいこと」と語ったという。

 12日にESPNに掲載された記事によると、ケイ氏は「死のずっと前から」スカッグス投手の薬物使用を知っていたといい、エンゼルス在籍中に医療用麻薬を使用したとみられる他の5選手の名前も米麻薬取締局に伝えている。1998年に父親を亡くした数年後から医療用麻薬を乱用しており、スカッグス投手から医療用麻薬を求められていたと証言。テキサス遠征の1、2日前にも違法に入手したオピオイド系の鎮痛剤オキシコドン6つのうち3つを手渡したというが、死因となった薬物と自身が手渡したものは別物のはずだと麻薬捜査官に語っているという。

 この報道を受けて、エンゼルスのジョン・カーピーノ球団社長が「全く聞いたことがない」などとコメントを発表する事態となったが、ケイ氏も弁護士のマイケル・モルフェッタ氏を通じてコメント発表。ESPNは「エンゼルススタッフが捜査に協力することは『正しいこと』だと語る」とのタイトルで、その内容を伝えた。

 ケイ氏は「このことに関して、全ての人が立ち上がり、自身の役割について責任をとる時だと思いました。何をしても、スカッグスのご家族にとって終幕とはなりません。何が起こっても、私、エンゼルス、裁判所ができることではありません。しかし、少なくとも、私はご家族が“疑問に思う”のではなく、“知る”ことを手助けできます」とコメント。当時の上司だったティム・ミード氏を含む球団スタッフ2人にスカッグス投手がオピオイドを乱用していたことを伝えたと麻薬取締局に語っているが、ミード氏はこれを否定。ESPNは「誰からもスカッグスがオピオイドを乱用していたと聞いたことはないと語った」と報じている。

 ケイ氏はさらに「自分の卑しむべき弱さについて、全国的に報道されることは苦しいことです。しかし、スカッグスのご家族が現在感じている、そしてこの先ずっと感じる苦しみに比べれば、私の苦しみは全く小さなものだと分かっています。捜査に協力すると決めました。それが正しいことだと思ったからです。それがこれから私にできることです。恥や非難は受け入れます」ともコメントしている。今後、新たな証言が出てくることもありそうだ。

(Full-Count編集部)

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