「パワプロ」「プロスピ」制作秘話 「サクセスモード」は「ときメモ」から誕生!?

KONAMIプロデューサーの山口剛さん【写真:編集部】
KONAMIプロデューサーの山口剛さん【写真:編集部】

「イチローさんのモーションを、ニッチローさんにやっていただいたりしても面白いかも」

――両ゲームに共通することですが、選手のフォームが特徴を捉えています。どう制作しているのでしょうか。

山「選手のフォームを再現するモーションアクターさんがいらっしゃいます。その方がモノマネをし、それをモーションキャプチャーで取り込みます」

――選手の実際の映像を元にするのではないのですね。

山「そういった技術も最近出てきているみたいですが、昔は当然そういった技術はなかったので、アクターさんに再現していただいています」

森「アクターさんをモーションキャプチャーで撮影することによって、『パワプロ』に反映できますし、『プロスピ』用にもカスタマイズさせて反映させることができたりするんですね」

――モノマネ芸人さんがいたりするんですか?

山「タレントさんは今のところ入っていないです。でも、今後、アリかもしれないですね。イチローさんのモーションを、ニッチローさんにやっていただいたりしても面白いかもしれないですね」

山「見て作ると膨大な時間がかかってしまうんです。イチから作るよりも、モーションキャプチャーという技術をしてから調整した方が工程としては早いんで。本当は全選手のフォーム完全再現まで行きたいんですが、なかなか膨大な時間がかかってしまうので、ある程度優先付けしてやらせていただいています。大物選手だったり、人気選手だったりですね。ソフトバンクの中村晃選手の“脇パカパカ”なんかは凄く言われましたね。レアードの寿司ポーズも再現されています」

――制作の過程で最も時間を要する工程はどこになるのでしょう。

山「プロスピでいうと、選手の顔、球場の再現に1番時間かかっていますね」

森「球場も、パワプロもプロスピもベース部分は同じ形で作った上で、リアルっぽい観客表現とかを作り分けていきます」

山「選手の顔に関しては、3Dスキャンで実際に選手を撮影させていただいてます。2015年のプロスピの時に初めて導入したんですが、実際にキャンプ地に我々が赴いて、1人1人撮影させてもらって。カメラ20台くらいで360度からバッと撮ります。カメラ20台で同時に撮影しないとズレが生まれてしまうので、同時に撮影できるシステムも我々で作っています」

――他のゲームからインスピレーションを得たりすることもありますか?

山「『サクセスモード』は、実は他のゲームを参考にして生まれたんです。弊社の一大コンテンツの『ときめきメモリアル』なんです。あれを好きな人がそういうシステムを導入したんです。物語性のあるもので、ですから彼女とかもいますし、3年で成果を達成する形になっています」

ー『ときメモ』ですか!?

山「単純に開発担当の中に『ときめきメモリアル』が好きな方がいたっていう……」

森「開発中に隣でプレイしている人がいました。『それ、面白いの?』みたいな感じになり『これだ!これだ!』となりまして…」

山「それが今や20年以上続く人気モードになっているんです」

(Full-Count編集部)

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