ミスで流れ明け渡した巨人、周東がHRを「打たせた」鷹 勝敗を分けた両軍の走塁 

代走・周東は大きな働き「大竹を通常のリズムで投げさせなかった」

 一方で、ソフトバンクは7回にデスパイネが山本の失策で出塁すると、すかさず“切り札”の周東を代走で送り込んだ。松田宣の先制3ランは「周東が打たせた」と野口氏は言う。

「セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルの時、代走・増田が出て、巨人のゲレーロがホームランを打ったプレーを思い出しました。周東がグラシアルにヒットを打たせて、松田宣に3ランを打たせた。巨人の大竹は周東が代走に出てからリズムを崩しっぱなしで、甘いところでストライクを取りに行かなければいけなくなって、松田宣が打った。周東が大竹を通常のリズムで投げさせなかったということです。巨人からしてみれば、頼みの大竹があんなに簡単に点を取られてしまった」

 走塁で両チームの明暗が分かれたとも言える。

 また、野口氏は先発投手を含めてこの試合のメルセデス、第1戦の澤村以外の投手が全員失点していることも、巨人は「心配」だと指摘。では、ここから逆転することはできるのか。第1、2戦と甲斐のリードに抑え込まれている打線の奮起しか、勢いを取り戻す方法はないという。

「打線が爆発するしかないのではないでしょうか。よく『守備からリズムを作る』と言いますが、早いイニングで打線が点を取って、相手の先発をノックアウトして、というのが最もチームに勢いがつきます。確かに、接戦の中での攻撃のリズムを生むのは、バッテリーを中心とした守備からです。ただ、日本シリーズのように数試合しかない中で、シリーズ全体の流れをつかもうとしたら、第3戦で早めにビッグイニングがくること。そうするとジャイアンツにいい風が吹いてくるのではないでしょうか。簡単ではありませんが、それを巨人打線はCSでやってきているので、絶対に無理とは言えません。そのために、試合がない21日を有効に使ってほしい。相手の配球を洗い出し、戦略を立てること、狙いを絞っていくことが必要でしょう。ソフトバンクにはまだまだいいピッチャーがいますが、巨人打線にしてみれば、打てない相手ではない。第1戦の千賀に比べれば……と考えられるはずです」

 ミスも響いて2連敗を喫した巨人が本拠地で巻き返せるのか、それとも、ソフトバンクがこのまま3連覇を達成するのか。まだ目が離せないシリーズが続く。

(Full-Count編集部)

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