沢村賞は「該当者なし」 なぜ選考基準4項目クリアの巨人山口、ハム有原が不選出?

日本ハム・有原航平【写真:石川加奈子】
日本ハム・有原航平【写真:石川加奈子】

4項目の該当で受賞した例はあるが、完投数3以下で受賞した例は1度もない

 日本野球機構(NPB)は21日、2019年の「沢村賞」は「該当者なし」になったと発表した。該当者なしは19年ぶり5回目。セ・リーグでは巨人の山口俊投手、パ・リーグでは日本ハムの有原航平投手が選考基準となる7項目のうち4項目を満たしたが受賞はならなかった。選考基準から過去の例を見ていく。

 沢村賞の選考基準は以下の7項目だ。

登板試合数 25試合以上
完投試合数 10試合以上
勝利数 15勝以上
勝率 6割以上
投球回数 200イニング以上
奪三振 150個以上
防御率 2.50以下

 山口、有原の今季成績は以下の通り。

○山口 26試合0完投、15勝4敗、勝率.789、170回、188奪三振、防御率2.91

○有原 24試合1完投、15勝8敗、勝率.652、164回1/3、161奪三振、防御率2.46

 山口、有原はともに4項目を満たしている。過去に4項目の該当で受賞した例はあるが、完投数3以下で受賞した例は1度もない。また、救援登板のあった1992年の石井丈裕(西武)を除くと、投球回数も2016年のジョンソン(広島)の180回1/3が最少となっている。

 投手の分業制が進んだことにより、年々完投数や投球回数が減っており、基準を満たすのが難しくなってきている。2018年度より選考基準に7回で自責点3点以内という独自のQS(クオリティ・スタート)率も補足項目として導入されている。

(Full-Count編集部)

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