西武山川が“2冠”、3ラン、満塁は誰!? パ“状況別”本塁打王ランキング

満塁は大方の予想通りの結果に… 4部門全てでトップ10入りは全部で3人

○満塁

1 4本 中村剛也(西武)
2 3本 レアード(ロッテ)
3 2本 中田翔(日本ハム)森友哉(西武)
5 1本 渡邉諒(日本ハム)、ブラッシュ(楽天)、茂木栄五郎(楽天)、山川穂高(西武)、清田育宏(ロッテ)、鈴木大地(ロッテ)、江村直也(ロッテ)、ロメロ(オリックス)、デスパイネ(ソフトバンク)、柳田悠岐(ソフトバンク)、福田秀平(ソフトバンク)

 大方の予想通りと言うべきか、満塁の場面における圧倒的な勝負強さで知られる中村がリーグ最多の4本塁打を放った。中村は歴代最多となる通算20本の満塁本塁打を記録している日本記録保持者でもあるが、今季だけでその1/5となる本塁打を積み上げた計算だ。9月4日と9月6日には3日間で2本の満塁弾を放つ離れ業を演じており、今季の満塁時における打率.531、49打点という驚異的な相性の良さを証明している。

 2位に入ったのはレアード。移籍1年目から32本塁打を放った助っ人は、ソロ、2ラン、3ランの3部門を含めた全てのカテゴリーでトップ10入りを果たしたが、順位としてはその中でも満塁時が最も高くなっている。こちらも満塁では3本塁打に加えて打率.400、21打点と強さを見せており、中村には及ばずとも、十分に“満塁男”と形容できるだけの成績を残している。

 2本で3位タイに入ったのは、森と中田の2名。森は昨季も3本の満塁弾を放っており、今季の満塁時の打率は.571。打率だけなら同僚の中村をも上回っており、こちらもフルベースの状況で存在感を発揮している。中田は開幕戦で2者連続敬遠の直後にサヨナラ満塁弾というあまりにも劇的な一打を放ち、全国のファンに4番の意地を見せつけた。

 満塁ホームランという出来事自体がかなり珍しいこともあり、このランキングでも満塁ホームランを1本でも打った選手はもれなくトップ10に名を連ねる結果となった。各球団ファンの中には「この選手の満塁弾といえば、あの場面でのホームランのことかな」と、その光景やシチュエーションを思い出せる方も少なくないのではなかろうか。

 以上のように、リーグ本塁打王の山川が、部門別のランキングでもソロと2ランの2冠に輝いている。また、3ラン部門はブラッシュ、満塁部門は中村がそれぞれ印象的な活躍を見せ、部門別でリーグ最多となる本塁打数を記録している。

 また、すべてのランキングに名前が載ったのは、山川、レアード、デスパイネの3名だった。いずれもチームトップの本塁打数を記録している各球団の主砲であり、彼らがあらゆるシチュエーションで本塁打を放っていることは、相手に対する恐怖感や、チームにとっての期待値という点でも大きな意味を持ちそうだ。

 秋山のように走者がいない場面で多くの本塁打を放っている選手もいれば、中村のように満塁で抜群の強さを発揮している選手もいる。単なる本塁打数を見るだけでは把握できない、選手個々の状況別の強さを頭に入れておけば、「この選手は走者2人の状況に強いから、この場面では期待ができる!」といった視点から野球観戦を行うことも、あるいは可能になってくるのではないだろうか。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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