敵も味方も驚いた! 侍J周東、出場即盗塁に稲葉監督「素晴らしい足」敵将「驚異的」

代走出場で二盗を決めた侍ジャパンのソフトバンク・周東佑京【写真:Getty Images】
代走出場で二盗を決めた侍ジャパンのソフトバンク・周東佑京【写真:Getty Images】

9回2死一塁で代走で出場、次打者の初球でいきなり盗塁決める

 10月31日に沖縄・那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇で「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2019」カナダ戦を戦った野球日本代表「侍ジャパン」。11月2日(日本時間3日)に開幕する「第2回 WBSCプレミア12」(テレビ朝日系列で放送)に向けての貴重な実戦機会は5-6で敗れる結果となった。

 先発の山口俊が2回に4安打4四球と乱れて6失点。打線も追い上げを見せたものの、あと1点及ばずにまさかの船出となった。「課題」と「収穫」が見えた一戦で、大きな「収穫」の1つと感じさせたのが“走のスペシャリスト”として侍ジャパン初招集となった周東佑京内野手(ソフトバンク)だった。

 周東の出番はカナダ戦の9回に巡ってきた。2死から代打・山田哲人内野手(ヤクルト)が遊ゴロ悪送球で出塁し、二塁へ進む。続く近藤健介外野手(日本ハム)が右中間へ適時打を放って1点差に迫ると、周東に声がかかった。近藤に代わる代走として登場した。

 続く松田宣浩(ソフトバンク)への初球だった。いきなりスタートを切ると、悠々と二塁を陥れて盗塁を成功させた。得点圏へと進み、ワンヒットで同点の場面を作り出した。結果的には松田が左飛に終わって同点には結びつかなったものの、侍ジャパントップチームでのデビュー戦でしっかりと存在感を発揮した。

 この周東の脚力には敵、味方問わず、驚きがあったよう。終盤、接戦でどうしても1点欲しい場面での“切り札”となり得る周東の存在。今回、侍ジャパンに招集した稲葉篤紀監督は試合後に「あそこで一発で走れる勇気もそうですけど、素晴らしい足だなと感じました」と賛辞を惜しまなかった。

 また、カナダ代表を率いるアーニー・ウィット監督も試合後の会見で「彼があそこまで速いのか知らなかったので驚いた。最初の投球で走ってきた。盗塁できるというのは効果的で、スピードがあるというのは守備に対してプレッシャーをかける、とても驚異的だと思いました」と驚きを口に。また、盗塁を決められた巨人のスコット・マシソン投手も「もちろんそういう選手がいるのは、プレッシャーになるもの。得点圏に進むと1つのヒットで同点にされていた場面だった」と振り返っていた。

○『世界野球プレミア12』の主な予定(テレビ朝日系列で放送)
11月5日(火)午後6時45分~ 開幕戦「日本×ベネズエラ」
11月11日(月)午後6時45分~ 「スーパーラウンド」
11月13日(水)午後6時45分~ 「スーパーラウンド」
11月17日(日)「決勝」

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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