解任されたヤ軍投手コーチを米記者が擁護 なぜか「ケイ・イガワ」の名前が登場!?

ヤンキース時代の井川慶氏【写真:Getty Images】
ヤンキース時代の井川慶氏【写真:Getty Images】

黒田氏や田中を指導した名伯楽が解任に「なぜ責任を取らなければならないのか」

 今季、ア・リーグ優勝決定シリーズでアストロズに敗れたヤンキース。悲願のワールドシリーズ制覇を来季目指すことになる名門はラリー・ロスチャイルド投手コーチの解任を発表した。2011年シーズンからヤンキースの投手コーチを務め、黒田博樹投手、田中将大投手らを指導した恩師はテコ入れの対象となったが、米メディアでは65歳の名伯楽を擁護。「ケイ・イガワをサンディ・コーファクスに変貌させる手立てはなかった」と、ヤンキースで不振の日々を過ごした日本人左腕が引き合いに出されている。

「なぜ、ラリー・ロスチャイルドがヤンキースのポストシーズンの失敗の責任を取らなければいけないのか」と題して特集したのは米ヤフースポーツだった。ヤンキース番の名物コラムニスト、ウォレス・マシューズ氏が9年間ヤンキースで手腕を振るったロスチャイルド氏を擁護。歴代監督はピッチャー問題について報道陣から質問を受けた際、「ラリーに聞いてみないと」が口癖だったほど信頼が厚かったエピソードなどを紹介している。

 その一方で、特集ではメジャーのコーチ陣が選手のパフォーマンスにどれほどの影響を与えているのかは未知数と指摘。そして、日本人左腕の名前が登場した。

「ヤフーの編集担当が私をF・スコット・フィッツジェラルドへと変えることができないのと同様に、ラリー・ロスチャイルドにはケイ・イガワをサンディ・コーファックスへと変身させることはできなかったことだろう」

 フィッツジェラルドは米国を代表する小説家の1人。ヤンキース番記者が伝説の作家に変貌する可能性と並び、実現困難な事例として井川慶氏とレジェンド左腕の名前が登場している。コーファックスはドジャースでサイ・ヤング賞3度、シーズンMVP1度、ワールドシリーズMVP2度、ノーヒットノーラン3度(完全試合1度を含む)などの偉大なキャリアを誇る名左腕だ。

 井川氏は2006年12月に2600万ドル(約28億円)のポスティング費に加え、5年2000万ドル(約21億6000万円)の大型契約で阪神からヤンキースに移籍した。期待の補強だったが、メジャーではわずか16試合(先発は13試合)登板で2勝4敗、防御率6.66。最後の3年間はメジャーが登板なく、マイナーで過ごした。ニューヨークメディアの特集でヤンキース史上最悪の補強の1位に選出されたこともある。

 退団からすでに8年の月日が経っているが、辛辣なNYメディアにとっても忘れがたい補強のようだ。

(Full-Count編集部)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY