【プレミア12】侍J稲葉監督、坂本2番起用の思惑と信頼「努力は野球の神様が見てくれている」

2番での起用に稲葉監督「慣れているポジションだと思うので、そこで何とか」

 そして、2番起用について、だ。「勇人はもともと巨人では2番を打っていた。これまで2番というのを1試合しか試していないと思うんですね。守備をまず決めて、打順を組んだ時に2番がいいんじゃないかと思いました。慣れているポジションだと思うので、そこで何とか繋いでもらおうと」。この代表で坂本が2番に入ったのは11月1日の強化試合カナダ戦の1試合のみ。慣れ親しんだ位置で起用し、本来の姿を取り戻してくれるように賭けた。

 そうまでして、稲葉監督が坂本を信じたワケがある。試合後の会見で、その思いを明かしている。

「沖縄から合流して、この大会と練習する姿を見ても、ウエート場で色々なトレーニングをやったり、ここまでしっかり調整してきた姿をずっと見てきました。そういう姿は大事なところで生きてくると、努力は野球の神様が絶対に見てくれているという思いが強かった。だから、2番で期待しました」

 この日の練習中も、室内練習場で打撃練習に励む坂本の姿を見た。指揮官自身もアドバイスこそ送ったというが、その内容については「そこはここで言うことではないので」と胸の奥に仕舞い込んだ。思いが実り坂本は3安打。「切り替えて臨んでくれた。これでチームでいい方向に向いてくれればいい」と稲葉監督も喜んだ。

 稲葉監督が全幅の信頼を寄せる坂本の力と、そして姿勢。2番という巨人で慣れ親しんだ定位置で坂本は本来の輝きを取り戻した。侍ジャパンは2日の調整期間を経て、16日に宿敵・韓国と対戦する。勝てば無条件で決勝進出が決まる一戦。復調した坂本の存在が頼もしい。

○『世界野球プレミア12』の主な予定(テレビ朝日系列で放送)
11月17日(日)「決勝」

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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