育成枠が約7割… 過去10年で独立リーグからドラフト指名された選手は?

指名最上位は中日又吉の2位、今年は埼玉武蔵の松岡が西武から3位指名

 独立リーグは、最も古い四国ILplus(以下四国)が4球団、ルートインBCリーグ(以下BC)が現在11球団、旧関西独立リーグは3-4球団。現在の関西独立リーグが4球団。球団数が少ないこともあり、1球団当たりの選手数は多い。

 1位は四国の香川。独立リーグとしては指名最高位のドラフト2位で中日に入り救援投手として活躍している又吉克樹や、現在は中日でプレーする亀澤恭平ら1軍で活躍する選手を輩出し、質量ともにトップだ。なお松澤裕介は2015年に巨人から育成指名されて入団拒否し、翌年再度巨人から育成指名されて入団している。

 2位も四国の徳島。ここ3年で6人の選手が入団。徳島は「勝てる選手の獲得」を方針に掲げ、ここ3年で2度四国の覇者になっているが、強化策がドラフト指名にもつながっている。2017年の伊藤翔はドラフト3位で西武に入団している。四国の他の2球団、愛媛マンダリンパイレーツは3人、高知ファイティングドックスは2人。四国では香川、徳島と愛媛、高知では大きな格差がある。

 BCでは2007年の設立時から参加している老舗球団の新潟、石川、富山が上位につけている。7人の新潟は2018年に知野直人が初めて支配下6位で指名された。同じく7人の石川では、楽天の寺岡寛治が今季1軍で初登板した。6人の富山では2018年に湯浅京己が阪神から初めて支配下指名された。

 BCから支配下最上位で指名されたのは、2019年に埼玉武蔵ヒートベアーズから西武にドラフト3位で指名された松岡洸希。

 旧関西独立リーグからは兵庫3人、明石、神戸から各1人が指名された。現在の新関西独立リーグからの指名はない。

 独立リーグは「NPBへの人材輩出」を目標の一つに掲げていることが多い。10年で81人の指名は一定の役割を果たしていると言えるが、戦力になった選手は少ない。厳しい現状だと言えよう。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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