【プレミア12】侍Jはベストメンバー、韓国は“主力温存”… 決勝前哨戦にあった日韓双方の思惑は
両チームとも投手陣は手の内隠し、エースも勝ちパターンも使わず
韓国も一時は6点のビハインドを背負いながら、サブ中心のメンバー構成で侍ジャパンを猛追。4回に一挙に5点を奪うなど、こちらも12安打で8点を奪った。主力のコンディション調整を優先させたキム監督は「日本も今日は勝ってきた投手は出てきていないので、あえて言及する必要はない」と語っていた。
両チームともに投手陣の起用に関しては、翌日の決勝を見据えて手の内を見せなかった。侍ジャパンは今大会初先発となった岸孝之投手(楽天)が先発。2番手からは大野雄大投手(中日)、山岡泰輔投手(オリックス)、嘉弥真新也投手(ソフトバンク)、大竹寛投手(巨人)、田口麗斗投手(巨人)が登板。リードした展開でも“勝利の方程式”は見せなかった。
稲葉監督は試合後に「投手陣はある程度プランがあったので代えづらかった」と語っている。この日の投手起用は予め想定されていたもの。決勝は先発の山口俊投手(巨人)に加え、高橋礼投手(ソフトバンク)も中4日でスタンバイ。ここに勝ちパターンの甲斐野央投手(ソフトバンク)、山本由伸投手(オリックス)、山崎康晃投手(DeNA)の3人を中心にして韓国打線をねじ伏せる算段だ。
韓国もこの日は手の内を隠した。先発のイ・スンホ投手はここまでわずか1イニングしか投げていなかった投手。2番手以降も勝ちパターンの投手は投げていない。決勝は2本柱の1人であるヤン・ヒョンジョン投手が先発。“日本キラー”キム・グァンヒョン投手もスタンバイ。キム監督も「我々も明日はベストな投手を出す」と宣言していた。
その中で、双方は1試合を通して相手の選手たちのデータを徹底的に集めることに注力したはず。乱打戦となったのには、それぞれのバッテリーが打者を抑えること以上に特徴を掴みにいったところにもあるはず。稲葉監督も「どのコースを振ってくるとか、いろいろキャッチャーとバッテリーコーチも試合中からやり取りしていましたし、明日もまたミーティングからやっていきたい」と語っており、それは韓国サイドも同じだろう。
「今日の試合をどう明日に繋げるかが大事だと思います」と稲葉監督は言う。侍ジャパンにとっては、決勝に勝ってこそ、このスーパーラウンド最終戦が意味を持ってくる。日本も、韓国も、それぞれの思惑を持って臨んだ日韓戦の第1ラウンド。その成果は決勝が終わった時に分かる。
○『世界野球プレミア12』の主な予定(テレビ朝日系列で放送)
11月17日(日)午後6時34分~ 決勝「日本×韓国」(ゲスト解説:上原浩治、秋山翔吾)
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)