【パお仕事名鑑】新外国人調査ではベンチ内の態度もチェック オリ国際渉外部羽場大祐さん

大学時代に2度の語学留学、通訳を経て国際渉外部に

 では、この仕事に就くまでの経緯を聞いてみよう。羽場さんは高校、大学で野球部に所属。もともと野球は好きだったようだが、スポーツビジネスへの興味はいつから始まったのか。

「大学時代です。2度の語学留学で、アメリカの大学のスポーツ施設のすごさに驚きました。それでスポーツビジネスに興味を持ってこの業界に進もうと思ったんです。そのなかでまずは通訳という仕事があるんだなと」

 そこで通訳を目指し、大学卒業後、プロ野球の通訳として採用され、2016年に現職に就いた。現職でもしばらくは通訳も兼任。同じ英語を扱う仕事だが、どうやら内容も意識も大きく違うようだ。

「どちらもやりがい、良い点があるんです。通訳であれば現場やダグアウトにいてチームと戦っているという実感がありますし、今のポジションであればチームを作り、強くしていくことに関われているというやりがいがあります。時に通訳はリハビリや2軍で調整している外国人選手の悩みを聞いたりして寄り添うことが求められ、逆に国際渉外では、時にドライに接さなければいけないこともある。交渉もそうですし、この年限りで契約満了という選手もいますので……そのあたりは辛いですね」

 それでも選手の悩みに寄り添ってきたからこそ、契約のドライな部分の中にも選手や球団の思いというものも考えることができる。それが羽場さんの強みだろう。今後は国際的な枠組みも増えていく。

「日本選手の海外派遣やビジネスサイドの海外研修など、海外におけるネットワークの構築と拡大を球団・国際渉外部のミッションとしていますので、その調整、パイプ役になることも仕事の一つです。選手の獲得だけではなく国際的な座組みが今後さらに広がっていく可能性があります。通訳面でも野球用語だけではなくビジネスやリーガルの専門用語も把握していかなければいけません。新しいことが多いので大変なときもありますが、自分にとっても新しい発見があって刺激的ですね。そこにもやりがいを感じています」

 ベースボールビジネスがますます世界とつながっていく。そこで期待されている人材はどんなものだろうか。

「好奇心旺盛、新しい発見を求める人がいいかもしれませんね。国際渉外部という観点で言えば、文化が違うというのがあるので、それを理解して仕事ができる人。そこを面白がれる人。いろんな人と交流ができる人が良いでしょう。一方で細かいことができる人。マネジメントや契約書類などの実務もありますし、予算も関わる職種なので」

 好奇心旺盛かつ、きちんとミッションをこなす。非常に難しいようにも聞こえるが、それをやりがいとして全うしている羽場さん。それは能力以上にハートが動かしているのかもしれない。そう思ったのは最後に聞いた質問、「通訳から国際渉外部へ。変わらない思いはありますか?」への答え。

「今でも外国人選手のケアはしていきたいです。何かあったら僕のところに来てくれたらうれしい。相談はいくらでも乗りたいと思っています」

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https://www.persol-group.co.jp/special/pacificleague/index.html

(「パ・リーグ インサイト」岩瀬大二)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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