新庄剛志氏が「自由契約選手」として公示 「任意引退」との違いはなに?

野茂氏のメジャー挑戦では近鉄が任意引退とした

 新庄氏は第59条2項によって、自由契約となり、全球団との交渉が可能になった。

 野球選手は引退の仕方によって、再度復帰する場合には立場が異なるのだ。1994年オフ、近鉄のエース、野茂英雄氏は球団との契約更新を保留し、MLBへの挑戦を表明した。しかし近鉄側は野茂氏を自由契約にはせず、任意引退とした。これによって、野茂氏は日本球界に復帰する場合には、近鉄としか入団交渉ができないこととなった。

 野茂氏はNPB出身2人目のメジャーリーガーとして123勝を挙げる大活躍。しかし、40歳になる2008年の4月にカンザスシティ・ロイヤルズを戦力外となった。もし、野茂氏がこの時点でNPB復帰を考えたとすれば、本来は近鉄としか入団交渉ができないはずだった。しかし、近鉄は2004年の球界再編でオリックス・ブルーウェーブと合併、実質的に消滅していた。野茂氏に日本球界復帰の可能性が取りざたされた際に、球団を引き継いだオリックスの任意引退選手になるのかどうかが話題となったが、前例がないことであり結論は出なかった。その後、楽天が入団交渉の意思を示したと報じられたが、野茂氏は楽天のオファーに応じず、この年7月に引退を表明した。

 現在では海外移籍をする選手は、海外FA権を行使するか、ポスティングシステムを利用してNPB球団を自由契約になって移籍するので、野茂英雄のようなケースは起こらない。NPB球団を退団する際に、自由契約ではなく任意引退となった選手は、何年経っていてもNPBに復帰する際には、新庄氏と同様、球団の承認が必要となるのだ。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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