日ハム鶴岡がコーチ兼任で学んだもの― 思い浮かんだ先輩の姿「こんなに複雑な心境で…」

選手兼コーチとして思い出したのは中島聡(現オリックス2軍監督)の姿

 二刀流に四苦八苦しながら思い出したのは、07~15年まで日本ハムでバッテリーコーチ兼捕手を務めていた中嶋聡(現オリックス2軍監督)の姿だったという。「中嶋さんって、こんなに複雑な心境で僕らにいろんなことを教えてくれてたんだなって。今すごい尊敬しています。でも、同じようなことをやろうとしたら、たぶんできないので、僕は僕なりに」と来季思い描くイメージは頭の中で固まっている。

「若いキャッチャーがこのあと十何年と野球界で活躍するための手助けをしたいなと思う反面、『お前ら隙を見せたら俺が常にいつでも行けるよ』というプレッシャーを与えながらやっていきたいですね。あいつらにあぐらかかせて、1軍の試合簡単に出られる状況にするのがチームとして一番良くないと思うので」

 日本ハムで4度、ソフトバンクで3度リーグ制覇した経験を武器に、一本立ちを目指す清水優心捕手や宇佐見真吾捕手の前に高い壁として立ちはだかる。一方で、コーチとしてシーズン中は主に配球面で若手捕手をサポートする。「僕は今までいろんな失敗も成功もしてきた。彼らがしなくていい失敗が何個かあると思うので、それをもっとうまく伝えられたら」と語る。

 来年4月11日で39歳になるが「まだまだでしょ!」と声を張り上げた。開幕スタメンを目指すかという問いに「僕が開幕スタメンしているようじゃダメでしょ」と即答した後でニヤリと笑って付け加えた。「でも、隙見せたら行くよという準備はしたいですね」。戸惑いを吹っ切って迎えるコーチ兼任2年目の活躍に期待したい。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY