イチロー氏が学生野球に込める思い 資格回復研修を受講「役に立ちたい」

イチロー氏は例年「イチロー杯」の閉会式で子どもたちへメッセージを送っていた【写真:福谷佑介】
イチロー氏は例年「イチロー杯」の閉会式で子どもたちへメッセージを送っていた【写真:福谷佑介】

NPB&日本学生野球協会「日本というより、世界の宝」と協議し対応

 元プロ野球選手をはじめ、今回からは直接的にスカウティングの業務をしていないなどの条件を満たしていればプロ野球の現職の選手、監督らも受けられるようになった学生野球資格回復研修。受講者は3日間のプロ、アマ側の研修を受け、日本学生野球協会の審査に通れば、高校生や大学生の指導が可能となる。この日、都内で行われた127名の受講者の中に、マリナーズなどで活躍し、今年3月に現役を引退したイチロー氏の姿があった。

 これまでは原則としてプロ経験者が学生野球を指導するためには退団することが求められてきたが、NPBと日本学生野球協会が協議し、前述した“条件付き”で、受講を認めている。

 イチロー氏はマリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターという肩書を持っている。今回、イチロー氏側から研修を受けたい意向を受けたNPB側が事前に折衝し、思いを確認した。イチロー氏が選手の獲得に携わる立場ではないこと、シーズンオフの期間に申請して、学生を指導したいという意向だったため、そこに問題はなく、最終的には12月6日に開かれた日本学生野球協会の理事会で受け入れとなった。

 日本高校野球連盟の田名部和裕理事は「イチローさんがこういったことに取り組まれるということを聞いて、驚きました。日本というより、世界の宝ですから、彼がいろんな立場で日本の学生野球の振興のためにお手伝いいただくということは大変嬉しいことです」。受講する際の申請書には学生野球の「役に立ちたい」と書かれていたという。

 期間が限定されるため、どこかの学校に常勤という形は難しいが、承認が得られれば、シンポジウムや講演などを通じて、子どもたちの未来を明るく照らすことになる。もしも、一時帰国して、指導したい場合も別途申請すればイチロー氏の指導が可能になる。

 引退会見では「小さな子どもなのか、中学生、高校生、大学生なのか分からないですが、そこには興味があります」とプロ・アマ規定や育成について口にしていたイチロー氏が踏み出した第一歩。NPBと日本学生野球協会もすぐに対応し、前向きに取り組んだ。世界的プレーヤーの考え方、技術指導が未来ある高校生や大学生に届く日も近い。

(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)

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