阪神の正捕手は「梅野じゃなきゃダメ」に―専門家が指摘する大きな“進化”

守備面での余裕は打撃面にもプラスに、捕手には珍しい盗塁へのこだわりも…

 さらに、守備面での余裕は「バッティングにも影響してくる」と野口氏は分析する。「捕手はもちろんリード、守備を1番に考えます。守りの部分で余裕が出て、やっと打つ方も頑張ってみようと思える」。今シーズンの梅野は打率.266、9本塁打、59打点といずれもキャリアハイの数字を残し、長打率.393、出塁率.326はともにチーム3位だった。

 加えて、特に印象深かったこととして、野口氏は梅野の盗塁へのこだわりをあげた。14盗塁は、セ・リーグ盗塁王に輝いた近本の36盗塁に次いでチーム2位。「今年、梅野と話していたら『盗塁したいんです。盗塁って成功したら大チャンスじゃないですか。走るキャッチャーって今いないので、2桁は走りたいんです』と何度も言っていました。確かに、キャッチャーがランナーに出ても盗塁するとは思っていないので、牽制もこないですし、走りやすいということはあるんです。キャッチャーは『ピッチャーがバッターに集中しているな。隙があるな』というのも分かるので、ぱっと走れたりします。余裕が出てくると、守り以外にも目が向くようになりますし、そこで守りにも気づきがあります」。盗塁への意欲からも、梅野の成長が見て取れる、と評価している。

 来季の阪神も投手力に頼るところが大きい。復活に期待がかかる投手もいる。そのカギを握るのは、他でもない梅野だ。
 
「梅野は7年目のシーズンになります。ここからは若手ではなく、中堅。投手を、そしてチームを引っ張っていく立場になります。秋季キャンプでの藤浪に対する発言も、自分が引っ張っていくぞという気持ちの表れじゃないでしょうか。報道でしか見ていませんが、『(藤浪は)シーズン中より悪くなっている』と。あえてそう言うことによって、藤浪にハッパをかけて、発奮させようとしていると感じました。藤浪の性格をよくわかっているのではないかなと。阪神は、なんと言っても藤浪。彼が普通に投げてくれたら2桁は勝つわけですから、チームにとって非常に大きい。13勝、14勝する力は持っていますし、貯金を『8』は作れるピッチャーです。藤浪の復活が最大の補強になるわけですから。当然、梅野もそう思っているはずです」

 阪神15年ぶりのリーグ制覇に、盤石のリリーフ陣と藤浪の復活は欠かせない。そして、そのためには梅野の力も欠かせない。今季得た“自覚”と“余裕”をどう生かすか。来シーズンも正捕手・梅野にかかる期待は大きい。

(Full-Count編集部)

朝日新聞スポーツシンポジウム

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