イチロー氏、故郷の野球少年に“最後の言葉”「価値観が変わる出来事を体感して」

「イチロー杯争奪学童軟式野球大会」の閉会式に出席したイチロー氏【写真:編集部】
「イチロー杯争奪学童軟式野球大会」の閉会式に出席したイチロー氏【写真:編集部】

イチロー杯の閉会式に出席、今年の第24回大会を最後に終了する

 今年3月に現役を引退したマリナーズのイチロー会長付き特別補佐兼インストラクターが22日、愛知・豊山町の社会教育センターで行われた「イチロー杯争奪学童軟式野球大会」の閉会式に出席した。第24回で最後になる今大会でイチロー氏は子供たちへ“ラストメッセ―シ”を贈った。

 スーツにネクタイ姿で子供たちの前でマイクを持ったイチロー氏は今年の春に現役を引退したことを報告。そして、先日、高校生や大学生への指導ができるようになる学生野球資格回復の講義を受講したことについて触れた。子供たちに伝えたいことのまず一点目は指導者と子供たちという関係性だった。

 教える側の厳しい指導が問題視されることが多く、「先生から教わる大切なことはたくさんあります。謙虚に受け止めてほしい」とした上で「ただ、厳しく教えるのが難しくなってきています。最終的には自分で自分を教育しないといけない時代になりました。自分には厳しい先生がいたので、なかなかそうは思えなかった。今はそれが大切なことと覚えておいていってほしい」と、しっかりとした課題や目標を持って、自分で自分を鍛える重要性を説いた。

 イチロー氏も時代と野球界の流れを肌で感じていた。二点目はこの情報化社会についてのアドバイスだった。

 「いろんなことが情報として、頭に入れられる時代になりました。携帯やスマホで調べられる。僕は27、28歳になる歳に大リーグに挑戦したわけですが、外(海外)に出てわかること、行ってみて、分かったことがたくさんありました」

「(調べたことを)知識として持っているのではなく、体験して感じてほしい。自分がそうでした。日本は素晴らしいと感じましたし、将来知ってほしいな、と思いますし、今まであったことが当たり前ではない。価値観が変わる出来事を体感してほしい」

 約8分間にわたるイチロー氏の熱いメッセージが子供たちの心に響いていた。イチロー氏が大会の会長を務める同大会は1996年にスタート。毎年12月に地元の豊山町で行われる閉会式に出席し、メダルの授与や選手たちへのメッセージなどで激励してきたが、今年の第24回大会を最後に終了することが決定している。

(Full-Count編集部)

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