元広島助っ人は「宇宙で最高の男」 MLB公式が米殿堂入り候補を特集

ヤンキースなどで活躍したアルフォンソ・ソリアーノ氏【写真:Getty Images】
ヤンキースなどで活躍したアルフォンソ・ソリアーノ氏【写真:Getty Images】

代名詞のフルスイングは「いつでも確実に隣の国にボールを飛ばすかのよう」

 2020年の全米野球記者協会による米野球殿堂入り投票の結果は21日(日本時間22日)に発表される。ヤンキースのデレク・ジーター氏や最終年のラリー・ウォーカー氏らが注目を集めているが、MLB公式サイトは元広島でヤンキースなどで活躍したアルフォンソ・ソリアーノ氏を特集している。

 記事では「間もなく少数のレジェンド達が野球殿堂入りを果たす。例えばデレク・ジーターのようなアイコンが。しかし、その他にも多くの2020年度で覚えておく価値のある選手がいる。面白かった選手。素晴らしいキャリアを送った選手」としてソリアーノ氏を紹介。ドミニカにあるカープアカデミー出身のソリアーノ氏は、1996年から広島で2年間プレー。1999年にはヤンキースでメジャーデビューし、メジャー通算16年で412本塁打、2095安打、289盗塁、打率.270の好成績を残した。

 盗塁王1回、球宴7回、球宴MVP1回と実績は十分だが、MLBで殿堂入りとなるとそう簡単にはいかない。「今年の殿堂入り候補者の中には、彼より実際には『野球が上手かった』選手は多くいる。ソリアーノはホームランを762本打ったわけではなく、ワールドシリーズ制覇を5度したこともなく、MVPに選ばれたこともない」と言及。選出される可能性は低いが、「しかし、彼はとってもカッコイイことをやってのけた。向こう見ずで、自由奔放で、力まかせのスイングをした」と印象に残る選手だったことを伝えている。

 ヤンキースとダイヤモンドバックスが対戦した2001年のワールドシリーズ第7戦では、1-1で迎えた8回にこの年22勝を挙げていたシリングと対戦。記事では「キャリア最高のシーズンを送っていた野球界の最高の投手と対戦したときは、通常なら緊張で硬くなったり、少しアグレッシブさが欠けたりするような場面だろう」と状況を説明。しかし「状況は関係ない。投球を受けるということは、ボールを遠くへ飛ばすチャンスが与えられた、ということだ」と一時は勝ち越しとなるソロ本塁打を放った。

 ソリアーノ氏の代名詞は初球からの豪快なフルスイング。「彼は、全てで(力一杯)スイングした。それはまるで、裏庭でふざけて友達にからかわれるリスクを払うかのようなプレーだ。彼はいつでも確実に隣の国にボールを飛ばすかのようなスイングをした。それが彼が最高である理由だ。彼のプレーの全ては、宇宙で最高の男になるように仕向けられていた」とその印象的なプレースタイルを振り返っている。

 積極的に次の塁を狙ったため通算289盗塁ながら盗塁死も84と多く、初球から打つことが多かったため通算打率.270に比べて出塁率.319と低かった。記事では「多分、効率的ではなかっただろう。だけど、それはとても楽しいことだった」と称賛。「彼は毎年そのバットを彼の前腕のように振りかざし、低い軌道のミサイルを放った。アルフォンソ・ソリアーノのライナーは、他の誰とも異なっていた」とパワフルなスイングからの弾丸ライナーを回顧している。

 殿堂入りは現実的ではないが、印象的なプレースタイルでファンから愛されたソリアーノ氏。投票ではどれくらいの票を集めるのかにも注目だ。

(Full-Count編集部)

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