30歳は大きな転換期? 菅野&中田&菊池涼らスター揃いの1989年世代の現在地

巨人・菅野智之(左)、日本ハム・中田翔【写真:Getty Images, 石川加奈子】
巨人・菅野智之(左)、日本ハム・中田翔【写真:Getty Images, 石川加奈子】

鈴木大地は新天地・楽天へ、広島・菊池はポスティング挑戦するなど人生の節目

 中国春秋時代の思想家の孔子の言葉で30歳は而立(じりつ)とある。学問の基礎ができて、自立ができるようになるという意味を持つ言葉だが、野球界を見てみても、プレーヤーとして、働き盛りの選手が多い。昨年、30歳になった1989年4月生まれから、2020年3月までに30歳となる1990年3月生まれには、中田翔内野手(日本ハム)や、巨人の菅野智之投手らがいる。そんな“中田&菅野世代”の主な選手たちの今を見ていこう。

 この世代はチームの主力になっている年次とあり、矢面に立たされる場面も多かった。重圧の中で結果を残せた選手、けがに苦しんだ選手、野球人生の岐路、節目に立った選手など、様々な色があった。

 5年ぶりにリーグ優勝を果たした“菅野世代”。エースの菅野は昨年、背番号「19」からエースナンバーの18に代わり、開幕投手を務めた。登録を3度抹消されるなど、苦しみながらも22試合に先発し、11勝6敗でリーグVに貢献。CSの登板は回避し、日本シリーズには間に合わせた。30歳となり、体やパフォーマンスの変化にも対応しながら、さらなる高みを目指していく。

 同い年の“スガコバ”バッテリーの女房役・小林誠司捕手。2016年から3年連続100試合以上出場も昨季は92試合出場にとどまった。それでも盗塁阻止率.419はリーグトップで、チームの5年ぶりVに貢献。「プレミア12」日本代表にも選出された。西武から加入した炭谷のリードをそばで学びながら、得たものも大きかった。今年は出場試合数増を目指して、日本一に貢献する。他にも巨人には丸佳浩外野手、田原誠次投手、高木京介投手らがいる。リーグVに欠かせないピースとなった。

 大きな岐路に立った1人が、今年3月に30歳となる広島の菊池涼介内野手(広島)。広大な守備範囲でファンを魅了する、日本を代表する二塁手は、昨季は138試合に出場して打率.261、13本塁打、48打点。7年連続でゴールデングラブ賞を受賞した。輝かしい実績を持って、ポスティングシステムを利用してMLB挑戦を目指したが、断念して広島に残留した。鈴木大地内野手は国内FAを行使して、楽天へ移籍。新天地での活躍が期待される。

 苦しい1年となっているのが、高校時代から世代のトップとしては走っていた中田翔内野手(日本ハム)。節目の年を迎え、昨年は124試合出場、打率.242、24本塁打、80打点。7月末に右手親指を痛め、8月に戦線離脱。7月は月間打率打率.289、7本塁打と調子を上げていたが、離脱後にチームは2位から5位に転落。2015年4月1日のDeNA戦から続けていた連続フルイニング出場が635試合でストップした広島の田中広輔内野手も苦境に立ってはいるが、まだまだ活躍は期待できる選手だ。

 彼らは30歳。40歳を迎えてもまだ一線で活躍している選手もいる。また違った味わいを出してくれる2020年シーズンとなるだろう。

○その他の主な1989年4月~90年3月生まれの選手
・野村祐輔投手(広島)
・伊藤隼太外野手(阪神)
・伊藤光捕手(DeNA)
・三上朋也投手(DeNA)
・田島慎二投手(中日)
・藤岡貴裕投手(巨人)
・吉田一将投手(オリックス)
・小田裕也外野手(オリックス)
・由規投手(楽天)
・岡島豪郎捕手(楽天)
・島内宏明外野手(楽天)
・中村晃外野手(ソフトバンク)
・嘉弥真新也投手(ソフトバンク)
・唐川侑己投手(ロッテ)
・井上晴哉内野手(ロッテ)
・益田直也投手(ロッテ)

(Full-Count編集部)

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