室伏広治氏考案“ハンマートレ”の意味 オリ吉田正に伝える「鍛えるテクニック」

「室伏塾」の効果は絶大、2年連続で全試合に出場

「室伏塾」の効果は結果にも表れている。17年11月に腰椎椎間板ヘルニアの摘出手術を受けた吉田正は、18年から2年連続で全試合に出場。25本塁打以上もマークした。「結構しんどい時期もありましたが、ケアしながらやれている」と致命的な離脱はしていない。室伏氏も「体もしっかりして来ていますし、今のところ大きな問題っていうのは見当たらない」とうなずく。

 球界屈指の長距離砲と、誰もが知る鉄人がタッグを組んでもう4年目。今回は、打球の飛距離アップを目指す吉田正のリクエストで、瞬発系のトレーニングも多く取り入れている。「時間をかけてやっていくことで効果は出てくる」と室伏氏が言うように、一朝一夕で劇的な変化は起きない。ただ、金メダリストの鉄人が何よりも目を細めているのは、吉田正の姿勢。「まだまだ成長したいという向上心を持った彼の性格が素晴らしい」と言う。

「チームのAクラス」「個人タイトル獲得」と吉田正が掲げる今季の目標の中には、もちろん日の丸を背負った夢の舞台もある。オリンピアンの先輩である室伏氏は「母国開催で期待は大きいでしょうけど、多くの人を感動させることができるだけの人だと思っているので、頑張っていただきたい」とエール。吉田正も「いい報告ができるように」と決意をにじませた。技術が詰め込まれたトレーニングで揺るがぬ土台を作り、五輪のグラウンドに立ってみせる。

(小西亮 / Ryo Konishi)

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