鷹千賀が先発で球界最高、中日藤嶋は“規格外” 直球の球速と空振り率の関係を検証

オフのトレーニングで大幅に球速を向上させる投手たち

 近年は、オフのトレーニングにより前年とまったく違う姿になって新シーズンを迎える投手がいる。特に重点的にウェイトトレーニングを行った投手は前年に比べて、球速を大幅に向上させることも多い。昨季もオフをはさんで大幅にストレートの平均球速を向上させた投手が数多くいた。

 イラストは2018-19年の2シーズンにそれぞれ100球以上ストレートを投げた投手を、ストレート平均球速のアップ幅が大きかった順に並べたものだ。昨季ストレートの平均球速を最も向上させたのは中村恭平(広島)だった。2018年に平均140.8キロだったストレートが昨季は149.4キロまで8.6キロもアップ。球速アップに伴い、ストレートの空振り率も2018年の7.9%から13.6%にまで上昇させている。

19年にストレートの球速を大きく伸ばした投手【画像提供:DELTA】
19年にストレートの球速を大きく伸ばした投手【画像提供:DELTA】

 中村恭は2017年が1軍登板なし、2018年もわずか8登板に終わるなど、キャリアの危機を迎えていた投手だ。それが昨季は登板が43まで増え、シーズン後半にはセットアッパーを任されるまでになった。球速アップだけが飛躍の要因ではないかもしれないが、一因であることは間違いない。

 ほかにはもともとそれほどスピードがない投手、あるいは先発から救援に転向しスピードを大きく向上させた投手が並んでいる。そしてその多くが前年と比べ空振り率を上昇させているようだ

 そんな中、注目したいのが4位の千賀滉大(ソフトバンク)だ。2018年の時点でのストレート平均148.0キロは先発として球界最速クラスだったが、昨季はそこからさらに5.2キロアップ。平均153.2キロにまでストレートの球速を伸ばした。これにあわせ空振り率も6.2%から11.2%までほぼ倍増。これは先発を中心に活躍した投手の中ではトップの値だった。これまでの千賀は決め球のフォークがピックアップされることが多かったが、昨季はスピードアップもありまたひとつ上のレベルに到達したようだ。

球速がダウンしていた投手はどのような結果に?

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY