永久追放解除求めたローズ氏は「正しい質問」 米ヤフー、サイン盗みと野球賭博を検証

レッズなどで活躍しながらも野球賭博への関与により永久追放処分を受けたピート・ローズ氏【写真:Getty Images】
レッズなどで活躍しながらも野球賭博への関与により永久追放処分を受けたピート・ローズ氏【写真:Getty Images】

ローズ氏は、永久追放からの資格回復求める書簡をMLBに送った

 メジャー歴代1位の通算4256安打をマークしたものの、野球賭博への関与により1989年に永久追放処分を受けたピート・ローズ氏が、大リーグ機構のコミッショナー、ロブ・マンフレッド氏に資格回復を求める書簡を送ったと米メディアが5日(日本時間6日)に伝えた。米ヤフースポーツは「サイン盗みは野球賭博より悪なのか? ピート・ローズは、正しい質問を投げかけた」とのタイトルで詳報している。

 記事では「野球賭博は野球で最も罪深いことと考えられている。150年の歴史のあるスポ―ツ(野球)で最も酷い違反とされ、もし、チームの一員として、自分が関わる試合に金銭を賭けるようなことがあれば、選手でもコーチでも球団幹部でも永久追放となり、2度とチャンスは与えられない」と指摘。「それでは、サイン盗みは野球賭博と比較してどのような位置付けになるのか?」として検証している。

 記事は、野球賭博のペナルティーは、1919年の「ブラックソックス事件」の処分が基準とされてきたと説明する。この事件は同年のホワイトソックスとレッズによるワールドシリーズで、ホワイトソックスの8選手が賄賂をもらってわざと試合に負けたとして刑事告訴され、球界から永久追放処分を受けた。メジャーリーグ史上「最大の汚点」とされている。

「選手、審判、球団関係者、球団職員が自分の関わっていない試合に、いかなる金額でも賭けた場合は1年間の出場停止処分。選手、審判、球団関係者、球団職員が、直接関わっている試合に、いかなる金額でも賭けた場合は永久追放処分となる」とし、「これがルールだ。一発で終わり、2度とチャンスは与えられない」と断じている。

 記事によれば、過去の例から見て、試合で“競争の正しいバランス”を乱すような行為には重い罰が与えられてきた。サイン盗みとブラックソックス事件は、他のチームを不利にさせる行為(サイン盗み)と、自分のチームを不利にさせる行為(ブラックソックス事件)という差はあるものの、両者とも試合の内容を変え結果に影響を及ぼすということには、変わりないと指摘し、こう伝えている。

「ローズはこの点において正しい質問をしてきた。この2つのスキャンダルの罰には差がありすぎる。サイン盗みに関わった球団関係者と監督は1年間の出場停止処分を受け、クビになった。ローズはここまで30年間、野球界から追放されて今も続いている。以前に永久追放処分を受けた人々は処分を解かれることなく亡くなってしまった」

 記事はまた「サイン盗みと賭博の違いは、賭博が、金銭の取引があればすぐにアウトとなるが、サイン盗みには『フェア』と『アンフェア』があり、はっきり線引きができないことがあることだろう」と指摘している。

(Full-Count編集部)

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