制限選手となった鷹コラスの未来は? MLB球団との契約は“半永久的”に無理!?
ホークスにも“ジレンマ”、復帰に備えて支配下枠を1枠空けておく必要が…
先にも記したように制限選手になっている間、MLBとNPBの間で結ばれている協定上、コラスは海外も含めて、保留権を持つソフトバンク以外の球団と契約を結ぶことはできない(効力は協定の結ばれている日本、アメリカ、台湾、韓国のみ)。また、球団関係者によれば、来年1月の保留期限を迎えた場合は資格停止処分になるという。この場合も保留権はソフトバンクに残る。つまり、ソフトバンク側が保留権を手放さない限り、半永久的にコラスは国内外の他球団と契約は結べないという。
ただ、ホークス側にも、ある“ジレンマ”が生まれるという。コラスはソフトバンクの保留者名簿には入っているものの、支配下登録選手としては公示されていない。現時点での支配下登録枠はコラスを除く65人となっている。残り5人の空きがあるものの、仮にコラスが亡命とMLB挑戦を断念してホークスに復帰した場合のためには、1枠空けておく必要があるという。
仮にMLB球団がコラスと契約を結ぼうとしても、MLBとNPBを通じてソフトバンク側には必ず身分照会が入り、ソフトバンクに保留権があることが伝えられる。コラスの亡命報道後に実際に数件の身分照会もあったという。身分照会によって、状況がクリアにならなければ、コラスがMLB球団と契約することはできないまま。そして、それは制限選手、資格停止選手となっている間、続くことになる。
まだ21歳のコラス。おそらくはコラスだけの意志ではなく、裏で糸を引いている代理人やエージェントがいるはず。球団側もそう見ている。どことも契約できないまま“宙ぶらりん”になることを知らされぬまま、その人物の口車に乗せられた可能性もあるだろう。復帰を模索するソフトバンク。果たして、今後、どのような結末を迎えることになるのだろうか。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)