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ボール一点だけではない 三塁“初守備”の筒香が確実に視界にとらえていたもの

レイズの筒香嘉智選手が26日(日本時間27日)、本拠地で行われたツインズとのオープン戦でサードデビューを果たした。守備機会は僅か「1」だったが、内野手にとっては最も難しいボテボテのゴロを一塁へのランニングスローで射止める軽快な動きを披露した。

「5番・三塁」で出場したレイズ・筒香嘉智【写真:Getty Images】
「5番・三塁」で出場したレイズ・筒香嘉智【写真:Getty Images】

ツインズ戦でメジャー初の三塁守備、ボテボテのゴロを一塁へランニングスローでアウトとした

 レイズの筒香嘉智選手が26日(日本時間27日)、本拠地で行われたツインズとのオープン戦でサードデビューを果たした。守備機会は僅か「1」だったが、内野手にとっては最も難しいボテボテのゴロを一塁へのランニングスローで射止める軽快な動きを披露した。

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 3度目のオープン戦出場で初めて守る三塁。2回は外野への適時打で中継に入り、3回には通常の守備隊形を変える“シフト”で右寄りや、遊撃の定位置に就くなどレイズ流の策に沿って活発な動きを見せた。

 見せ場は4回だった。バットをへし折られた先頭打者が、ボテボテの弱いゴロで一塁へスタート。筒香はチャージをかけ芝生で止まりかけた打球をグラブで拾うと、素早いスナップスローで決めた。際どいタイミングを予測して、前日に練習をした素手での送球の選択肢はなかったのか――。この疑問に筒香は的確に返した。

「ランナーがちゃんと視界に入っていたというか、入れるようにしていた。普通にいけば間に合うなと思ったのでグローブでいきました」

 秀逸な講釈である。

 走りながら捕球態勢に入る中で、ボール一点を見るだけでなくその先に映る打者走者をおぼろげながらも裸眼の隅に映すことで、グラブを使う猶予があるかどうかのとっさの判断が付くということ。例えば、右翼手が右中間に上がった勢いのある飛球を追う時、一瞬、右目でフェンスを視界に入れ、全速力でどこまで行けるかを判断する“技”と通じる。

 さらに、聴覚から得た情報が体の反応を引き出したこともあるだろう。先の打球は、バットを折る鈍い音が立つと同時に転がった。外野手が、ボールがバットに当たった音と角度でその飛距離と方向を瞬時に判断し、落下点に向かう一歩目につなげる感覚と合致する。

 筒香のランニングスローの一部始終を最もクリアな角度で見つめたのが、韓国人一塁手・崔志萬(チェ・ジマン)だ。筒香が見せた動きに水を向けると、「日々、内野守備の練習を積んでいるけど、野球勘がとてもいい選手だと思った」と称賛した。

“勘”は単調な練習を積むだけでは養えない。前日の練習で素手でのランニングスローを見せた筒香は、オープン戦で初めて守ったサードで、外野手として培ってきた勘を無意識のうちに働かせていた。

 余談だが、タイミングがしっかり合った打球がバックネットに刺さる際、バットの表面とボールの表皮がものすごい力で擦れ、髪が焦げる匂いと同じ臭気が漂ってくる。その時、捕手の頭には違う球種の選択がよぎるという。

 野球は人間がやるスポーツ――。筒香の守備からこんな思いを新たにした。

(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

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