ハム高山がフィリピン代表選出 他国代表でプレーしたNPBのWBC戦士を振り返る

台湾代表の林威助、陽岱鋼はNPBでも一定の成功

○台湾代表
林威助氏(元阪神)
出場大会:2006年、2009年

陽岱鋼選手(巨人)
出場大会:2006年、2013年

【本大会出場なし】
李杜軒選手(元ソフトバンク/ロッテ 現琉球ブルーオーシャンズ)
出場大会:2009年、2013年

 陽岱鋼は日本ハム時代に球団史上初の盗塁王に輝き、ゴールデングラブ賞も4度受賞。代表チームでも不動の主軸として活躍を続けている、まさに台湾野球界のスター的な存在だ。2度のWBCでも共闘した兄の陽耀勲(元ソフトバンク)もNPB経験者だが、ドラフト指名を経ての入団ではなかったため今回のリストには入っていない。だが、2012年にはNPBでの“兄弟対決”も実現しており、兄弟そろって日本の地で存在感を示している。

 柳川高校、近畿大学を経て阪神で11年間プレーした林威助氏は2006年に67試合で打率.303、OPS(出塁率+長打率).933という好成績を残すと、翌2007年にはわずかに規定打席には届かなかったものの、打率.292、15本塁打、58打点を記録。ケガの影響もあってレギュラー定着は果たせなかったものの、持ち前の強打でたびたび甲子園を沸かせ、その実力がNPBでも十分に通用することを示していた。

 先述の2選手はNPBにおいても一定以上の成功を収めた選手と言えるが、現在NPBに所属している投手の中では、宋家豪投手(楽天)やチェン・グァンユウ投手(ロッテ)も2017年のWBCに台湾代表として出場している。ともにドラフトを経ての入団ではないため外国人枠が適用される立場ではあるが、彼らのように1軍で活躍を見せている台湾出身の選手は今なお多い。

 入団時から外国人枠を外れていた台湾出身の選手としては、野手として2度の首位打者と1度の盗塁王を獲得し、投手としてノーヒットノーランを達成する離れ業を演じた呉昌征氏、1994年にセ・リーグで本塁打王と打点王の2冠に輝いた大豊泰昭氏といった偉人が存在。現役選手では「WBSCプレミア12」で台湾代表として好投を見せたオリックスの張奕投手や、西武で在籍5年目のシーズンを迎える呉念庭内野手がその条件に該当する。

○中国代表

朱大衛投手(元西武)
出場大会:2009年、2013年

 中国代表は第1回大会から4大会連続でWBCの本選に出場し、その全てで日本代表と対戦するなど、国際舞台でもおなじみの存在だ。中国出身の朱は中部大学第一高校から2006年のドラフトで西武に入団したが、在籍5年間で1軍での登板機会は一度も訪れず。それでも、西武に在籍していた2009年と、中国球界に活躍の場を移した後の2013年の2度WBCに選出され、2013年には日本代表との試合でも登板を果たしている。

○フィリピン代表

小川龍也投手(西武)
出場大会:2013年

 小川は冒頭で紹介した高山と同じく母親がフィリピン出身で、中日に在籍していた2013年に同国代表としてWBC予選へ出場。後に中日と西武でリリーフとして活躍したが、この大会では第2戦の台湾代表との試合で先発を託された。小川は4回3失点という投球内容で、チームは0-16と大敗。続く試合にも敗れたフィリピン代表は予選敗退を喫したが、2大会ぶりにチームに加わる日本人となった高山は先達の無念を晴らせるか。

MLBからNPBのドラフトを経由し、最多セーブを獲得した選手も

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