元ヤ軍監督トーリ氏、2年前に“サイン盗み球団”に忠告 「この先選手が暴露を…」

現在はコミッショナー特別補佐を務めているジョー・トーリ氏【写真:Getty Images】
現在はコミッショナー特別補佐を務めているジョー・トーリ氏【写真:Getty Images】

トーリ氏は、松井秀喜氏が在籍した当時ヤンキースを指揮した

 このオフのメジャーの話題の中心となったアストロズによるサイン盗み。アストロズとレッドソックスが対戦した2018年ア・リーグ優勝決定シリーズでは、ヤンキースなどの監督を歴任し、当時はMLBの競技運営最高責任者を務めていたジョー・トーリ氏が両軍のGM、監督にサイン盗みをしないよう通達していた。米紙「ニューヨーク・ポスト」が詳細を伝えている。

 「ニューヨーク・ポスト」は、米スポーツ専門テレビ局「ESPN」の記者カール・ラベッチ氏の話として伝えている。ラベッチ氏によると、アストロズとレッドソックスによる優勝決定シリーズ前にミーティングが開かれた。トーリ氏が両チームの責任者を呼んで「秘密の不正」を止めさせることが目的だったという。

 ミーティングのメンバーには、アストロズの前GMジェフ・ルーノー氏、前監督AJ・ヒンチ氏、レッドソックス前GMデーブ・ドンブロウスキー氏、前監督アレックス・コーラ氏が含まれていたという。ルーノー、ヒンチ氏はアストロズがサイン盗みの処分を受けた後に解任された。前年の2017年にアストロズのコーチだったコーラ氏もこのオフに退任している。

 結果的にこの戦いはレッドソックスが4勝1敗で勝利。ワールドシリーズも制して世界一に輝いている。しかしレッドソックスにもサイン盗み疑惑が持ち上がり、現在MLBが調査を行っている。

 ラベッチ氏は、ESPNのポッドキャスト「ベースボール・トゥナイト」で次のように語ったという。

「トーリは両チームにこんなことを言ったそうだ。『ルールに違反するようなことをしていたら、この先どこかでチームを離れた選手やフロントが暴露するだろう』ってね。君たち、汚い秘密をいつかばらされるぞってね」

 さらにラベッチ氏はこう話したという。「マイク・ファイアーズがあんなことをすると、トーリがその時点で気付いていた証拠はないけど、このミーティングの参加者は怖くなって、そんなこと(サイン盗み)するのを止めたって聞いた。『これは大変だ。本当にまずい』って。その後、彼らの行動が変わったらしい」。

 サイン盗み疑惑が明るみになったのは2015年途中から17年までアストロズに在籍し、現在はアスレチックスでプレーするマイク・ファイアーズ投手の“告発”だった。昨年秋にファイアーズがメディアに明かしたことにより、MLBは調査し、アストロズに処分を下した。トーリ氏の忠告通りに事態は推移していったことになる。

 79歳のトーリ氏はメッツ、ブレーブス、カージナルス、ヤンキース、ドジャースで指揮を執った。松井秀喜氏が在籍した当時のヤンキースの監督で、現在はコミッショナーの特別補佐を務めている。

(Full-Count編集部)

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