348日ぶりの実戦復帰は最速144キロ 鷹サファテは本当に復活できるのか?

現時点では内容は二の次、まずは痛みなく投げられたことが大きな一歩に

 2018年に股関節の手術を受けたサファテ。2019年の春季キャンプで来日した際は約10キロ、体重が落ちて痩せ細っていた。筋肉も落ち、さらには痛み止めを飲みながら、ピッチングなどを行っていた。6月にはリハビリのために米国に帰国すると、11月頃に打った1本の注射で症状が劇的に改善。本格的なトレーニングを、ようやく行えるようになった。

 そこから本格的に筋力トレーニングなどを行い、まだ3、4か月しか経っていない。落ちた体重も97キロまで戻ってきているものの、それでもまだ2017年当時には及ばない。筋力も戻り切っておらず、尚且つ、回復が難しい股関節の故障だ。なかなか、復帰していきなりあの剛球が投げられるわけがない。

 この日の登板後、サファテは「スピードはまだこれから上がっていくと思う。それは自分の中でも感じている。今日はまだ全力で投げていない」と語っている。マウンドに慣れ、投げることに体が慣れてくれば、まだスピードは上がってくるだろう。

 さすがに、この大きな故障を経て全盛期と同じ150キロ台半ばのボールを投げられるようになるのは難しいだろう。ただ、サファテには234のセーブを積み重ねてきた経験と投球術がある。工藤公康監督も「個人的にも球威が落ちていることは分かっていることだと思う。だからこそ変化球も練習している。球速が戻ることが百だとは思ってない」と語っている。

 果たして、ここからサファテがどれだけ状態を上げてくるのか。そして、どんな投球スタイルでシーズンを戦うのか。ただ、どんな形であってもいい。「キング・オブ・クローザー」が元気にマウンドで躍動する姿をファンは待っているはずだ。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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