ハムD4位鈴木健は昨季65登板の玉井に並ぶ存在 厚澤C「タマちゃんを脅かすでしょ」

日本ハム・鈴木健矢【写真:石川加奈子】
日本ハム・鈴木健矢【写真:石川加奈子】

鈴木健は14日のDeNA戦で好投するなど、OP戦5試合で自責0

■日本ハム 8-7 DeNA(オープン戦・14日・札幌ドーム)

 日本ハムのドラフト4位ルーキー、鈴木健矢投手が14日、DeNAとのオープン戦に登板。右の大砲を封じて開幕1軍を強烈にアピールした。

 先発のロドリゲス投手が崩れた4回に出番がやってきた。この回だけで7安打6失点し、なおも2死三塁で迎える打者は絶好調の3番オースティン。しびれる場面でリリーフした変則横手右腕は、カウント1-2から127キロの外角低めに逃げるスライダーで空振りを奪った。「狙って三振を取れたのはすごく良かったです」とうなずいた。

 相手に傾いていた流れを完全に断ち切った。「流れは気にせずに思い切っていこうと思いました。(オースティンは)僕が行く前にツーベースを2本打っていたので、もし打たれても、前も打たれていたしとちょっと開き直ったところがあります」という言葉に強心臓ぶりが見てとれる。

 イニングまたぎとなった5回は4番の佐野にボテボテの内野安打を許したものの、ロペスをスライダーで見逃し三振、宮崎をスライダーで投ゴロ併殺打と3人で片付けた。持ち前の内角攻めだけではなく、秋吉亮投手から教わった斜めに落ちるスライダーで右の強打者封じをアピール。これでオープン戦5試合、4回2/3を投げて自責点は0(失点1)と抜群の安定感を発揮している。

 公式戦を想定して、敢えてオースティンにぶつけた厚澤和幸ベンチコーチ兼投手コーチは「タマちゃんを脅かすでしょ」と昨季チーム最多の65試合に登板して防御率2.61とブレークした玉井大翔投手の名前を引き合いに出して絶賛した。

 昨季は走者を背負ったピンチで流れを変えるのは玉井の役目だった。この日鈴木健がピンチで右の長距離打者から三振を奪うというミッションをクリアしたことで、強力なカードがもう1枚増えた。「去年はタマちゃんだけだったけど、二択か、タマちゃん超えでしょ」と厚澤コーチの期待は高まる。

 タフな場面での登板を鈴木健も意気に感じている。「栗山監督からもランナーがいる場面で行くことが増えていくという話をされたので、そこでしっかり結果を残して期待に応えられるようにしないといけないと思います」。22歳右腕の落ち着いた口調が頼もしく聞こえた。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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