阪神退団からロッテ移籍― 同じ道を歩む鳥谷と今岡2軍監督 「野球を楽しんでほしい」

ロッテ・井口資仁監督(左)と今岡真訪2軍監督(12日撮影)【写真:宮脇広久】
ロッテ・井口資仁監督(左)と今岡真訪2軍監督(12日撮影)【写真:宮脇広久】

移籍後、初実戦を終えた鳥谷「しっかり自分の課題と向き合える時間は多いのかな」

 その今岡2軍監督は「トリ(鳥谷)には、阪神時代に背負っていた物を1回外して、純粋に野球少年のように、野球を楽しんでほしい」と実感を込めて言う。

 阪神は巨人と並び、注目度が他球団とは桁違いで、特有の重圧、ストレスがある。今岡2軍監督は「トリはこっちに合流した時から、いい意味で阪神時代と違うオーラがある。タイガースでは、背負う物が大きかったと思う。阪神にいたら、野球を楽しめ言うてもね、『楽しめるかぁ!』というハナシですよね」と笑わせた。

「僕なんかとは、背負ってきた物が違う。僕は(阪神での)最後の何年間かはずっと補欠でしたが、彼はずっと1軍にいて、僕にはわからない世界を経験してきている」とも話すが、現在の鳥谷の心境を誰よりも理解し、寄り添える人だろう。

 実際、鳥谷は阪神時代との違いについて、「自分が来た最初(ロッテに合流した12日)は人(報道陣)がたくさんいましたが、一昨日は誰もいなかった。誰も見ていない所で練習することは嫌いじゃない。“楽”という表現がいいのかどうかわかりませんが、しっかり自分の課題と向き合える時間は多いのかな、と思います」と穏やかな表情で言った。

 鳥谷は少なくとも22日までは今岡2軍監督のもとで試合に出場し、1軍昇格をうかがう予定。“虎の重圧”から解き放たれた男は、今後どんな表情を見せ、どんな成績を残すのだろうか。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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