オリ苦労人左腕が低賃金マイナー生活を回顧 新型コロナの窮地に「当然同情」

オリックスのアンドリュー・アルバース【写真:荒川祐史】
オリックスのアンドリュー・アルバース【写真:荒川祐史】

アルバースはマイナー時代に無一文、独立リーグも経験した

 大リーグ機構(MLB)は19日(日本時間20日)、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、マイナー選手に対する援助策として給料の一部を補償することを発表した。マリナーリーガーの中には生活のためにアルバイトを始めた選手もおり、開幕延期は死活問題。元マイナーリーガーでオリックスのアンドリュー・アルバース投手は地元テレビ局「スポーツネット」に対し、マイナー時代の窮状を語っている。

 マイナーリーガーへの給料は非常に低いとされているが、アルバースもマイナー生活で一文無しになることがあったという。さらに2度契約解除となった経験もあり、独立リーグやベネズエラのウインターリーグにも参加。オフシーズンには臨時教師として教壇に立ち、高校のジムで投球練習も行っていたという。

 しかし、これは珍しいケースではなく、新型コロナウイルスによる開幕延期でマイナーリーガーはさらに窮地に追い込まれている。収入がない中で金銭面をやりくりしながら、体も鍛え続ける必要があるからだ。アルバースはこのような経験から心を痛めているようで、「この選手たちに当然同情するよ。この一時的な休業が長引かないことを祈る理由がそこにある。2、3週間のために仕事を探すのは厄介なことだからね」。

 マイナーリーガーでもメジャーのスプリングトレーニングに参加することで、球団のトレーニング施設を使用したり、食堂でご飯を食べたり、手ごろな価格で宿泊場所を利用できる。しかし今は中断となったことでトレーニング施設は軒並み閉鎖。ほとんどのマイナー選手は自宅に送り返されている。アルバースは「大きな問題に直面するかもしれない。彼らは家に帰っても、トレーニングする施設が無い可能性もある。特に投げ込みが必要な投手たちはね」とマイナー選手を思いやった。

 野球専門誌「ベースボール・アメリカ」によると、全ての球団はマイナーリーガーに1週間につき400ドル(約4万4000円)を支払うという。ただ、4月第1週以降の対応については、依然として不明なまま。アルバースは働き口やトレーニング場所だけでなく、宿泊先を探すのが重要であると指摘している。400ドルは決して十分な金額とは言えない。

 アルバースは2018年からオリックスでプレー。18年に19試合登板、9勝2敗、防御率3.08をマークして2年契約を勝ち取った。年俸は推定180万ドル(約2億円)。記事は「オリックスでプレーした2年間で手にした金額は、夢を追いかけマイナー6球団でプレーした10年分の金額を遥かに上回るものである」と伝えている。

(Full-Count編集部)

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