「10億円超になる可能性も」―野球カード1枚が秘める大きな魅力を専門家が語る

「カードは1つの思い出」、「ホビーとしてスポーツ業界を盛り上げていく大切な要素」

 自身も大洋ホエールズ(現DeNA)のファンでありコレクターだったと話すアラムさん。カードの真贋を鑑定するPSAに入社したのはオークションでのある出来事がキッカケだったと明かした。

 自身がオークションで落札したサインボールについて「これって本物?」と思ったことから、その真贋を鑑定してもらおうとそういったサービスを日本で探すも1社も見つからなかった。アメリカでは既に数社が鑑定のビジネスを始めていたことから、自分が日本の第1人者になろうと思ったことがきっかけだった。日本にはそのようなサービスを提供する会社がないことや、自身が請け負うことなどを記し、複数のアメリカの鑑定会社に手紙を書いて送った。すると、PSAから返事があった。同じタイミングでアジア進出を考えていた同社と考えが一致し、アラムさんは資料を作って、アメリカに飛んだ。プレゼンも見事に決まり、仕事を託された。いちコレクターだからこその悩みからPSAと出会い、行動へ移し、それが実り“今”があると笑顔で語ってくれた。

 アメリカではPSAによるカード鑑定は一般的で広く普及しているが、日本ではまだ浸透が浅い。しかし、アラムさんは「お気に入りのカードを最適な状態で保存したいコレクターは多いと思う」とし、ぜひ日本でもこの動きが広がってほしいと望んでいた。

「カードは1つの思い出となります。その時代をとっておくことにもなります。これは1つのホビーとしてスポーツ業界を盛り上げていく大切な要素だと思います。その点がまだ日本ではそこまで浸透していません。まだこれから伸びていく、伸ばしていければ良いところだなと思っています」とカードの魅力を語るアラムさんの目はいちコレクターの目になっていた。

 これを読んだ皆さんの押し入れなどの中に、眠った昔のカードはないだろうか。もしかしたらそのカードが数年後には凄い価値が付いているかもしれない。そんな魅力が1枚のカードには詰まっている。

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