OB藪恵壹氏が“課題”の阪神打線を分析 糸井と福留は「併用」、カギは「大山と高山」

藪氏が勧める大山・高山の起用「この2人は育てる意味でも使っていかないと」

 今季の優勝だけではなく、数年先のチーム構成を考えた時、藪氏は今、大山と高山の両選手を辛抱強く起用するべきだと話す。

「やっぱり我慢して実戦を積ませないとダメですよ。この2人は育てる意味でも使っていかないと。そうしないと絶対優勝はできないし、先にも繋がらない。その意味でも福留と糸井を併用して2人で1つのポジションを守らせて、高山をレフトかライトで使った方がいいと思います。近本と高山でセンターとライトを固めていけば面白いと思いますね。

 大山と高山は2人ともドラ1で、これからバリバリ活躍するべき存在。打順の幹となるべき選手です。ここがレギュラーに定着するような打順を組んだり、起用をした方がいいと思いますね。投手では西(勇輝)、高橋(遥人)。青柳(晃洋)で40勝、打線は大山と高山で40発。この40/40ができれば優勝は近づきます」

 それでは藪氏が考える理想の打順は、どのような形になるのだろうか。

「僕は1番に糸原(健斗)を持ってきます。去年、一番出塁率が高かったのは糸井だけど、その次が糸原。四球を60個取っているので1番に置きたいですね。それで2番に近本、3番糸井。ただ左が3人続いちゃう。本当は1番に右で足が速くてパンチ力のある打者が欲しいんだけど。井上(広大)とか入ってきたら面白いですね。4番はボーアで、5番はマルテではなくて大山。6番はサンズじゃなくて高山。そして7番木浪、8番はキャッチャーですね」

 大山、高山の2選手に大きな期待を寄せる藪氏だが、もう1つ、気になるのが遊撃のポジション争いだという。現時点では木浪と北條史也の併用が見込まれている。

「ショートのポジション争いが、北條なのか木浪なのか。少し辛口ですけど、2人はどっちも決め手がないんです。守備力もバッティングもそこそこ。違いと言えば、右打ちか左打ちかくらい。例えば、どうしても守備で外せないとか、打順で欠かせないとか、そういう決め手がないんです。『絶対にこの選手じゃなければ』というものを作らないと、併用され続けますよ。それに今年ドラフト4位の遠藤(成)が伸びてくる可能性がある。ウカウカしていると危ないと思います」

1軍と2軍の守備の差は「5厘」の差、「この5厘の差って意外と大きい」

RECOMMEND