12球団ドラフト史上最高“当たり年”は? 楽天は“神の子”ら入団の2006年

ヤンキース・田中将大(左)と楽天・渡辺直人【写真:Getty Images、荒川祐史】
ヤンキース・田中将大(左)と楽天・渡辺直人【写真:Getty Images、荒川祐史】

2006年は田中将大のほか、嶋基宏や渡辺直人も入団

 毎年、100人近い新人が新たに飛び込んでくるプロ野球の世界。誰もが大きな志を抱いて入団してくるものの、活躍できるのはほんのひと握りしかいない。長いドラフトの歴史で12球団それぞれの最高の“当たり年”だったのは、いつだろうか。各球団を検証していってみよう。今回は楽天だ。

 近鉄とオリックスの球団合併に端を発する球界再編問題で新たに2005年から球界に参入した楽天。ドラフトは参入が決まった2004年から加わり、まだ16回と、その歴史は浅い。その中で“史上最高”と言うのはなかなか難しいが、挙げるならば、2006年になるだろう。

 高校生ドラフトと大学・社会人ドラフトの分離型で行われたこの年のドラフト。高校生では早実・斎藤佑樹や駒大苫小牧・田中将大ら“ハンカチ世代”として注目を集めた年だ。楽天はこの田中将大を高校生ドラフト1位で指名し、交渉権の獲得に成功した。

 横浜、オリックス、日本ハムと4球団競合となった田中を引き当てた楽天。右腕のその後の活躍は知られた通り。高卒ルーキーで1年目にいきなり2桁11勝をマーク。3年目の2009年から5年連続2桁勝利、2013年には24勝0敗という信じ難い成績を残し、楽天を初のリーグ優勝と日本一に導いた。故・野村克也氏が「マー君、神の子、不思議な子」という名言を残したことでも知られる。2014年にヤンキースに移籍すると、6年連続2桁勝利と結果を残している。

 大学・社会人ドラフトの1位では永井怜を指名。永井は2009年、2010年に2年連続で2桁勝利をマークするなど、中心選手として活躍した。同3位で入団したのが嶋基宏。1年目から125試合に出場して正捕手となると、その後、楽天の扇の要として2013年の日本一に貢献した。主将としてもチームを支え、今季からヤクルトでプレーする。

 さらに5位では渡辺直人が入団。“松坂世代”の1人で26歳でのプロ入りと遅咲きだったが、1年目から正遊撃手に。4年間在籍したのち、トレードで横浜へ、2013年途中には再びトレードで西武へ移籍。2018年から楽天に復帰し、今季からは打撃コーチを兼務する。4位の横川史学も楽天、巨人で1軍185試合に出場。育成2巡目で入団した中村真人も支配下となり、292試合に出場している。

 これまで16度しかない楽天のドラフトではあるが、2006年のほか、銀次や青山浩二が入団した2005年や塩見貴洋が1位、美馬学が2位だった2010年もまずまずの“当たり年”。さらには辰己涼介や太田光らの2018年なども将来的に“当たり年”と言えるようになる可能性を秘めている。

【一覧】楽天の2006年ドラフト指名選手一覧 燦然と輝く高校生ドラフト1位の田中将大

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