「選手、チームの変化こそ我々の冥利の一つや」 元オリ監督が救われた野村克也氏の言葉

オリックスが見せた変化に野村氏からも「選手、チームの変化こそ我々の冥利の一つや」

 この年、思い出深い試合が残っていた。2014年。開幕戦こそ2年連続開幕戦延長サヨナラ負けというタフなスタートだったが、4月を19勝8敗で乗り切り、交流戦も貯金をして終えようとしていた。6月18日の巨人戦。森脇氏はシーズンに於いて快進撃を続けるのに大きなターニングポイントとなるものだったと振り返る。この試合の解説者は勿論、野村氏。翌日のスポーツ紙には「ノムラの考え」で詳しく評論されていた。この試合は9安打6得点での快勝だったが野村氏の称賛の言葉はなく、攻守に動き過ぎと批判に近いものだったという。

 最終的に2014年シーズンはソフトバンクとの「10・2」決戦で敗れ2位に終わったが、Bクラス常連になりかけていたオリックスが死闘の1年を乗り越えて見せた変化は大きかった。

 時が経ち野村さんと時間を共有する機会があった森脇氏は「あの時のオリックスはかつてのホークスの選手の変化のスピードを上回っていましたよ。本当に尊いものでした」と伝えた時に野村氏から返ってきた言葉が忘れられないという。

「選手、チームの変化こそ我々の冥利の一つや」

 滅多に褒めることなく辛口で知られる野村氏からの言葉に“指揮官”としての喜びを再確認させれた。

「野球界の中で一度は野村さんの元でも学びたかった」

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