イチローVSベッツはどちらに軍配? 夢の世代別対決を米メディアが指標で検証

現在はマリナーズの会長付き特別補佐兼インストラクターを務めているイチロー氏【写真:Getty Images】
現在はマリナーズの会長付き特別補佐兼インストラクターを務めているイチロー氏【写真:Getty Images】

各世代のベストナインを選出、ポジションごとに指標を比較して検証を行った

 誰もが一度は思い描く、世代を超えた夢の対決。イチロー、デレク・ジーター、バリー・ボンズらの2000年代と、マイク・トラウト、ジャンカルロ・スタントン、クレイトン・カーショーらの2010年代でははたしてどちらが強いのか? 米スポーツメディア「ブリーチャー・レポート」が「勝つのはどっち? 2000年代のMLBスター VS 2010年代のMLBスター」との見出しで、永遠の問いを検証している。

 ジーターからトラウトまで、この20年間で数々のスター選手が誕生してきたMLB。では、2000年代と2010年代のオールスターチームが対戦したら、どちらが勝利するのか。ときに数字のスポーツに例えられることもある野球。「ブリーチャー・レポート」が、この疑問に様々な指標を用いてアプローチしている。

 記事ではまず、全体的なオフェンス能力、ピーク時のパフォーマンス、ディフェンス能力、ポストシーズンでのパフォーマンスなど様々な要因を考慮して2000年代、2010年代のロースターを選出。その後、各ポジションごとに指標を比較し、どちらがより優れているかを検証している。それぞれのロースターは以下の通りで、2000年代の右翼手にはイチローが選ばれた。

【2000年代】
1(右)イチロー・スズキ
2(遊)デレク・ジーター
3(左)バリー・ボンズ
4(一)アルバート・プホルス
5(指)デビッド・オルティス
6(三)アレックス・ロドリゲス
7(中)カルロス・ベルトラン
8(二)チェイス・アトリー
9(捕)ホルヘ・ポサダ
先発 ペドロ・マルティネス
救援 マリアノ・リベラ

【2010年代】
1(右)ムーキー・ベッツ
2(中)マイク・トラウト
3(一)ミゲル・カブレラ
4(左)ジャンカルロ・スタントン
5(指)ネルソン・クルーズ
6(三)エイドリアン・ベルトレ
7(二)ロビンソン・カノ
8(捕)バスター・ポージー
9(遊)フランシスコ・リンドーア
先発 クレイトン・カーショウ
救援 クレイグ・キンブレル

 両チームとも錚々たる面々が名を連ねている。では、右翼手のイチローとベッツではどちらが指標的に優れているのか。イチローの162試合の平均スタッツはOPS+118、打率.333、出塁率.378、長打率.434、本塁打10、打点59、得点111、WAR5.0。対するベッツはOPS+134、打率.301、出塁率.374、長打率.519、本塁打28、打点96、得点125、WAR7.5となり、ややベッツが勝る結果となっている。

 記事では、イチローが2001年に新人王とMVPに選ばれたこと、10年連続で200本安打、打率3割以上をキープしたこと、肩も強く10年連続でゴールドグラブを取得したことなどに触れつつ「ただ、イチローは打撃でバラエティーに欠けていた。彼が2000年代に打った2030本のヒットの内、1650本が単打だ」と指摘する。

 一方でベッツについては、2018年にMVPに選ばれたこと、首位打者や30本塁打、30盗塁を達成したシーズンがあったことを引き合いに「5ツールプレイヤーで、ディフェンスではイチローと同等に素晴らしい。数字だけではイチローがMLBに与えたインパクトを表現できない。しかし、もしフィールドでのパフォーマンスをもとにどちらかを1人選ばないといけないなら、ベッツが少し上を行っているかもしれない」とベッツに軍配を上げている。なお、チームトータルでの最終的な勝敗については、8対3で、2000年代チームの勝利と結論付けた。

(Full-Count編集部)

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