なぜ無観客のスタンドに? 楽天ガールズ今井さやかさんが語る台湾文化とチアの重要性

異なる野球文化と国民性「台湾の人たちには恥ずかしがるところがない」

 そして、国民性の違いも感じるという。「日本の人たちはシャイなところがありますけど、台湾の人たちはそういうところがありません。1人で来ているお客さんでも、男性でも一緒になって踊っています。とてもフレンドリーですし、恥ずかしがるところがないですね」。だからこそ、大きな音楽に合わせてチアリーダーが踊る応援スタイルがスタンダードとなっている。

 ファンがおらず無観客で開催されているにも関わらず、チアリーダーたちがスタンドで踊る姿に違和感を覚えた人もいるだろう。日本のテレビ番組でも取り上げられたほどだ。だが、台湾ではこれは普通のことだと今井さんは言う。「チアのいない野球は台湾のプロ野球じゃないという文化。いま現地にいるわけではないので正確な理由は分かりませんが、テレビで見ているファンの人たちに楽しんでもらうためだと思います」と台湾プロ野球でのチアリーダーたちの立ち位置を解説する。

 台湾プロ野球のチアリーダーたちの中には芸能の仕事もし、テレビに出ているような女性も多いという。日本でも有名な中信兄弟のチュンチュンなどはそのいい例だ。今井さん曰く「台湾ではチアの子たちは人気がとても高く、例えばSNSのフォロワーが何十万人もいる子がいます。台湾プロ野球ではチアリーダーがいる目の前には、野球よりもその子たちだけを見にきているファンもいる」のだという。

 台湾プロ野球は野球だけでなく、こうしたチアリーダーの存在も含めて1つのエンターテインメントとして成り立っている。野球を見たいファンだけでなく、チアリーダーたちを見たいファンたちも多くいる。「踊ってる様子を見てもらい、人々に楽しんでもらおう、ということだと思います」。テレビを通して、多くのファンに喜んでもらうことに意味があるようだ。

「チアがいたり、応援があるだけでも、選手たちにとっても空気が違うと思います。台湾プロ野球の魅力は、やっぱりあの応援スタイル。日本人の方でも現地で見てもらえれば、ハマる人も多いと思います。チアリーダーたちはカメラを向ければ、必ず目線をくれるので、それにハマる人もいるはずです。きっと楽しんでもらえると思うので、コロナが収束したら台湾のプロ野球も見に来てもらいたいですね」と語る今井さん。日本とはまた異なる文化を持つ台湾プロ野球。チアリーダーたちの存在もまた、球界を彩る大事な要素なのだ。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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