元中日チェンがトラウト超え最高給? 試合数減で“ねじれ”発生「クレイジーな話」
チェンの今季の年俸支払い義務はマーリンズに残っている
新型コロナウイルスの感染拡大で開幕が延期となったMLB。現在、メジャーリーグ機構と選手会の間では新たな開幕に向けたプランについての交渉が行われており、その争点の1つとなっているのが新たな年俸削減案についてだ。
7月4日(日本時間5日)の独立記念日前後での開幕、シーズン試合数は80試合程度とされる今季のMLB。選手会はすでに試合数に比例した額への年俸減額で機構と合意していたものの、さらなる減額を求められている。
その一方で、この年俸の減額で影響を受けない選手たちもいる。それが現役を引退しているものの、まだ年俸支払いの期間が残っている選手や、契約途中にそのチームから解雇された選手たち。そんな状況の中で元中日のチェン・ウェイン投手に対し、米記者から批判の声が上がった。
2012年に中日からオリオールズに移籍したチェン。2016年にマーリンズと5年総額8000万ドル(約86億円)の大型契約を結んだ。だが、移籍したマーリンズでは大不振に終わり、昨季は45試合で0勝1敗3ホールド、防御率6.59という惨憺たる結果に。5年契約終了を待たずに、2019年オフにマーリンズを解雇となった。
チェンの5年契約は初年度が1250万ドル(約13億4000万円)で年々、年俸が増額していく契約となっていた。最終年の2020年度の年俸は2200万ドル(約23億6000万円)。マーリンズを解雇となり、新たにマリナーズと契約したが、マーリンズにはこの最終年分の年俸の支払い義務が残っている。これには試合数削減に比例した減額は適応されないようで、マーリンズが23億円超を支払わなければならないという。
米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者がこの点を指摘すると、同僚のジェイソン・スターク記者が自身のツイッターで反応。「これは現実の野球経済において、今年最もクレイジーな話だ。ある選手が6月22日以降に登板した試合のチーム成績は、1勝23敗。その彼が最高給取りの投手だとはね!」と、実名こそ挙げなかったものの、チェンのことを酷評した。
元レンジャーズでプリンス・フィルダー氏には2400万ドル(約25億7000万円)の支払いが残るが、すでに引退。今季のMLBの最高年俸はエンゼルスのマイク・トラウト外野手の3767万ドル(約40億円)。だが、今季が80試合程度となり、試合数に比例して年俸が減額となると、トラウトの年俸は約20億円ほどとなり、現役でチェンがトラウトを上回ってしまうことになる。そんな歪な“逆転現象”にスターク記者は反応したわけだ。
(Full-Count編集部)