【私が野球を好きになった日18】19歳で出会った野球が人生を変えた 教員になった元女子プロ野球選手の次の夢
埼玉アストライア、愛知ディオーネなどに在籍していた佐藤千尋さんは今春から駒大苫小牧女子野球部部長に
Full-Countでは選手や文化人、タレントやアナウンサーら野球を心から愛する人々の「私が野球を好きになった日」を紹介。第18回は、元女子プロ野球選手で今春創部したばかりの駒大苫小牧女子硬式野球部の部長に就任した佐藤千尋さん。野球との出会いは19歳だった。昨年まで女子プロ野球リーグに所属していた佐藤さんは次の夢へ向かって歩み出している。
昨季まで8年間女子プロ野球選手として活躍した佐藤さんが野球を始めたのは19歳と意外にも遅い。体育教師を目指して入学した北海道教育大岩見沢校では、マネジャーとして硬式野球部(男子)に入部した。
「大学ではキャンパスライフを謳歌したいと思っていました。高校時代は日焼けして、髪も短かったので、女性っぽくなりたいと思って」とサポート役に徹するつもりだった。岩手・一関第一高時代にソフトボールで全国選抜大会に出場し、選手としては完全燃焼したという思いも強かった。
だが、練習を手伝ううちに新たな感情が芽生えた。当時札幌学生野球連盟で一部昇格を目指していた同校は、学生が監督を務め、選手たちが自ら考えて練習するチーム。日々ノックを打ち、ティー打撃のボールを上げながら、佐藤さんは自主性と活気にあふれたこのチームの魅力にはまっていく。
「高校時代はやらされていた感じで楽しいと思ったことはなかったのですが、大学ではみんな自由に伸び伸びと練習しながら、やるときはやるという人たち。『野球ってこんなに楽しんだ!』と思いました。雰囲気も良くて、知らず知らずのうちに野球をやってみたいと思っていたんでしょうね」。
そんな佐藤さんの思いを最初に見抜いたのは、いつもキャッチボール相手をしていた同期の男子選手だった。「やりたんだろ?」と声をかけられて、初めて自分の気持ちに気付いたという。「自分から『やらせてください』という性格ではないので。エッ? やっていいの? という感じでした」。