106盗塁、出塁率5割超… もはや更新不可能? な球史に残るシーズン最高記録【打者編】

シーズン出塁率.532を記録した王貞治氏(左)、シーズン最多106盗塁を記録した福本豊氏【写真:Getty Images】
シーズン出塁率.532を記録した王貞治氏(左)、シーズン最多106盗塁を記録した福本豊氏【写真:Getty Images】

福本豊氏が残した106盗塁の歴代最多記録は最も更新困難な記録か

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で開幕が延期となっているプロ野球。感染が下火になりつつあることで、6月19日のシーズン開幕がようやく見えつつある。待ち望んでいたプロ野球ファンにとってもようやく明るい光が見えてきたと言えるだろう。

 その84年の歴史を誇るプロ野球では、数々の偉大な記録が誕生してきた。野球の戦略なども変化し、その中では現代の野球では更新が不可能となった“超人的”な記録もある。そこでここでは、これまでのプロ野球で打ち立てられた1シーズンでの驚愕の大記録に注目してみよう。

 今回は打者編だ。

 数々の偉大な記録の中でも、現代野球でまず更新が不可能に近い記録が盗塁だ。シーズン最多盗塁の歴代記録1位は1972年に阪急・福本豊氏が記録した106盗塁。現在の143試合制でも4試合で3盗塁のペースで盗塁していかないと届かない。投手のクイックなどがより厳しくなった現代は盗塁王を獲得する選手でもシーズン40盗塁から50盗塁ほどで106盗塁にはさすがに届きそうにない。しかも、福本氏が凄まじいのはこれを122試合で達成しているところ。ほぼ1試合1個は盗塁していたということになる。

 通算868本塁打を誇る王貞治氏が持つ記録も更新が厳しいものが多い。その中でも1974年に記録した出塁率と四球数は驚異的だ。長嶋茂雄氏の衰えが目立っていたこともあり、前年に三冠王に輝いていた王氏に他球団の警戒が集中。勝負を避けられることも多くなった。そのため四球が増え、なんとシーズンで158四球を選ぶことになった。この四球数もあって出塁率は.532に。ただ、王氏が驚異的なのは、それだけ勝負を避けられながら、この年、打率.332、49本塁打107打点で2年連続の三冠王となっているのだ。

打点と得点は小鶴氏、打率はバース氏、本塁打と長打率はバレンティンが歴代1位

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