120試合制の今季は「選手層の厚いチームが有利」!? 専門家が分析する鍵は…
調整の難しさや過密日程を考慮すると…「やはり層の厚いチームが断然有利」
2011年には、東北地方に甚大な被害をもたらした東日本大震災が3月11日に発生し、プロ野球の開幕が約3週間遅れた。当時から現役だった選手もまだ多くいるが、今年とはまた状況が違う。野口氏は「前例がないので、本当に難しい。東日本大震災のときも、こんなには(開幕までの期間が)空きませんでしたから。しかも、あの年は練習はできていたので。今年に関しては、選手はどう調整していいかがわからなかったと思います」とも話す。
「全員が同じ条件なので、そういう意味では不公平感はありませんが、みんながみんな揃って1年間もたないということになるかもしれません。そうなってくると、手持ちの駒が多いチームが有利になってくるとは思います」
試合数が少なくなれば、中心選手だけでシーズンを乗り切れそうとも考えがちだが、開幕前の調整の難しさを考えると、むしろ今季は層が厚いチームのほうが有利だというのだ。しかも、短い期間で120試合をこなさなければいけないため、過密日程も予想される。タフさが求められるシーズンになることは間違いない。
「ずっと6連戦が続いていくことになります。しかも、例年のシーズンにはあるはずのオールスターブレークや、交流戦終わりの休みもない。ずっと6連戦でいって、休めるのは雨で中止になった日や移動日になる。ただ、中止になったらダブルヘッダーが入ってくる可能性もありますし、予備日にその試合が入れば連戦がさらに伸びることになる。選手の疲労度はいつものシーズンよりも蓄積しやすいのかなと」
実際に、過密日程を考慮して登録枠を増やすという案も出ているという。
「連戦を考えると、投手については先発の枚数が多いチームの方が有利ですよね。休ませながら、という形ができるほうがいい。さらに、もしベンチの枠が拡大するなら、ピッチャーを増やすチームが多いはずです。6連戦、6連戦となるとリリーフが増える。数を入れたほうがいいとなりますから。
そういったことを考えていくと、やはり層の厚いチームが断然有利ですよね。3月末とか4月の頭に開幕する中での120試合なら選手の数は多くなくていいかもしれませんが、期間凝縮の中での120試合なら選手層が問われることになります」
練習試合は行われるものの、短い準備期間を経て、開幕を迎えることになる2020年のペナントレース。いったいどんなドラマが待っているのだろうか。
(Full-Count編集部)